支店の従業員から「パソコンのモニターに、キーボードから入力した文字とは違う文字が表示される」というクレームが本社に届いたので、本社の担当者が調べた処、ウィルスに感染していることが判りました。
しかし、本社担当者は
①会社が厳禁している個人所有のPCをその従業員は業務で使用していること
②ネットでポルノ系のアドレスにアクセスし、データを会社のサーバーに保存していたこと
を発見しました。
ウィルス感染したことも問題ですが、①②の方がもっと問題です。 PCのウィルス対策は専門家に任せて素人は会社運営に専念した方が有効だと思います。当然のこととして懲戒処分の対象となります。
この会社では半年前に別の支店の支店長が退職して競合他社に入社するときに会社のデータを全て個人所有のPCにコピーしていた疑いもあったのです。更に、1年半前にも同様の事件がありました。これは機密情報の漏えいに相当します。
個人のPCを会社に持ち込むことを許可していると、会社のデータは全てコピーできてしまいます。またPCに限らず、フラッシュメモリーや、ドコモやAUのスマートフォンだとデータをコピーしてしまうことも可能な筈です。PCの性能が良くなったから、コピーを取るのに時間はそんなにかかりません。残業している態をしていれば、自由自在です。
こんなに便利な世の中になると、悪意があればアッと言う間に機密情報を抜き取ってしまうことができます。現場は便利さを優先させようとしますが、少なくとも個人所有のPCを業務で使用することは厳禁すべきです。
規則や規程は必要ですが、各自にその意識が無ければ規則も役に立ちません。「仏を作って魂入れず」とはこのことを言います。まずは従業員に機密情報の取り扱いに関する教育を行うこと、そして規則を厳守させることが必要です。そして、上司のこの問題に対する意識が何よりも大切です。機密情報漏えいは外部の人が抜き取ることよりも、社内の人が抜き取ることで発生する確率の方が高いと言います。
景気が低迷し、企業間競争が激化していますから、企業の機密情報は価値あるものとなっているのです。 会社としては、従業員教育と同時に、機密情報とそうでない情報とを区別することから始める必要があります。機密情報は保管管理をすることが必要ですから、全てを機密情報扱いにすると管理も大変だし、営業に支障を生ずる場合もあります。 そのバランスの取り方は各社各様です。
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