新年度が近づいたので採用面接が活発になったようです。今年4月からの入社予定者を面接する会社もあれば、既に来年度大学卒業予定者の内定面接を開始している企業もあり、企業規模と必要性に応じて色々な動きがあります。
その中で注意したいことは「人財とは採用するものではなく、自社で育てるものだ」という点です。良い人財を採用したい、良い人財さえいれば・・・等と言われる経営者は多いのですが、経営者以上の能力を持った人が入社してくることはあり得ないのです。また、仮に経営者以上の能力をもった人が運よく入社してくれても、いずれは経営者に見切りをつけ辞めて行ってしまうのがオチというのが現実です。
入社面接のときには、「能力」よりも「人柄」を重視して人選をする。何故なら、「能力」は入社後に教育することで高めることが出来ますが、「人柄」を直させることは無理だからです。「真面目にコツコツと継続する人柄」をもつ人を自社で採用する。そして、入社後に教育訓練をして人財に育て上げるのです。
そのときに、「鉄は熱いうちに打て」と昔から言われるように、最初が肝心です。最初は普段以上に厳しく「規律」を守ることを教え込むことが必要です。しかし、現実にはこの逆をやってしまう会社が多いことも事実です。折角、入社した人だからと言ってチヤホヤと甘やかせてしまうのです。これでは本人のためにもなりません。何故なら、人生において最初の上司が本人に与える影響は、その人の一生に大きく影響してしまうからです。
入社直後の教育と入社1年経過時の再教育が大切なことは言うまでもないことですが、このときには「技能・技術」のことよりも「会社の理念・方針」を徹底して理解させ自立した企業人に育てる心がけが必要な時代です。
そして、最近の傾向として、入社後半年間の教育訓練計画をつくり、入社した人にもその計画を見せることが良い結果を生む場合が多いようです。
クドイようですが、「どっかにエエ人財はおらんかいノ~!! 」では絶対に人財とめぐり会うことはありません。人財は出会ったり採用するものではなく、自社で育てるものだからです。不思議なもので、人を育てることが上手い会社には、良い人材が応募してくるものなのです。従って、良い人財が欲しければ、人材を育てることが上手い会社になることが必要です。
私が子供の頃(約40年位前のこと)は、広島ではデパートの「福屋さん」と飲食店の「釜飯の酔心さん」は厳しい教育もするけれど人を育てるのが上手い会社だと私の親が良く話していました。
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