「うつ病」他の精神疾患対策

5月に入ってから「うつ病」などの精神疾患に従業員が罹患した相談で奔走させられました。

記憶に残ったものとしては、

①上司のパワハラ(?)が発端となり「うつ病」が再発した従業員

②「うつ病」で労務不能となり休職を開始した従業員

③半年前から「うつ病」で休職している従業員の今後の対策

④独身寮に一人で住んでいる従業員が「うつ病」になったので、その対策

⑤「精神疾患」か否か、医師の判定を貰うために通院を勧めているが通院しない従業員対策

⑥病気療養のため休職していたが、そろそろ復職できる頃になって音信不通となった従業員対策

⑦社内の誰が見ても働ける状態では無い(遅刻・早退・欠勤の繰り返し)のに、医師の診断書では「残業だけを制限して就労可能」となっている従業員対策

などがあります。

労基署では長時間労働を精神疾患の一因と判断していますが、私は社内で従業員が孤立することに原因があるような気がします。孤立しているから、悩み事の相談も出来ず、コミュニケーションが取れないのです。

一昔前までは、インフォーマル組織といって会社内でインフォーマルな集団(仲間集団)が出来上がり、そこでザックバランな会話がされていました。しかし、今は仕事が忙しい上に個人生活を重視する余りインフォーマル組織が上手く機能していないようです。「東京砂漠」という歌謡曲が昔しありましたが、会社内でも同じようなこと(沢山の人間はいるけれども、その中で孤立してしまっている状態)が起きているのではないでしょうか? 偶には「無礼講の飲み会」も必要だと思います。

数年前にビックリするような経験をしました。その従業員さんは21歳の若人でしたが、精神疾患に罹患したのか半年間も会社を欠勤していたのです。会社の依頼があって本人と会い、話しをしましたが、私生活を聴いてビックリしました。

その人は家族と同居していましたが、その人の一日は、朝起きて、一人で朝ごはんを食べ、会社に行って黙々と仕事をして、家に帰って一人でテレビを観ながら夕飯を食べて、自分の部屋に籠ってパソコンをしたりテレビを観たりして寝る、という毎日で、家族と会話することがほとんど無く、会社でも業務上で必要なこと以外は他の従業員や上司と話しをしないのです。

こんな生活であったら、私ならば1週間ともたないと思います。精神疾患に罹患しない方が可笑しいのではないでしょうか? 私は思わず「アンタ、本音で話しをする場や機会はあるの?」と訊いてしまいました。

気分転換をしたり、ストレスを発散させる場を意識的に設けなければ、精神衛生上のバランスが崩れてしまうと思います。

昔しの学校は「よく学び、よく遊び」を良しとして、遊び方も教えていました。友達も教えてくれました。しかし、今の学校は勉強しか教えません。その結果、集団の中で自分のポジションを確保する術を教えていないのだと思います。進学するには、こんなことは必要のない知識だからです。

だから、会社に入ってから、会社がそれを教えることが必要になっているのではないでしょうか? 入社当初は1~2歳年上の先輩社員をお兄さん・お姉さん役として割り振り、個人的な人生相談も含めて相談にのることで、会社組織に馴染ませていく必要があるようです。そうすればお兄さん役・お姉さん役を務めた社員も同時に成長させることができるのです。

因みに、前記した21歳の若人は、私が親身になって相談にのる(私の末娘と同い年だった)ので最後の頃には私を「おじちゃん・・・」と呼ぶようになり、これからの人生の進路指導をしました。尚、欠勤していた会社は退職させ、ハローワークで無料の職業訓練を受講させるようにしました。