就業規則変更と労働基準監督署の調査

6月に就業規則を変更した企業の総務責任者から「7月に労働基準監督署の職員が突然に訪問して調査がありました」という連絡がありました。

この会社とは就業規則変更のお手伝いを契約しただけで普段は全く接触がありません。ただ今回、就業規則変更のお手伝いをする間に、村上流の労務監査を行い、①始業・終業時刻の記録と管理を行うこと、②残業・深夜・休日労働時間数の其々を集計し賃金台帳と給与明細書に記載すべきこと、③長時間過重労働のチェックを行うこと、④万が一に備えて賃金の中に固定残業制の要素を入れておく方が安全であること、⑤130名規模の企業だから産業医と契約をすることが必要であること他を教授しておきました。就業規則変更の雛形としては、経営理念の記載だけでなくSNS対策も織り込んだ村上流最新版就業規則をたたき台としました。

企業担当者は②「残業・深夜・休日労働時間数の其々を集計し賃金台帳と給与明細書に記載すべきこと」は事務が大変だからと拒否しましたが、その他の事項は直ちに開始すると確約をしていました。

総務責任者から労基署調査の結果をお聴きした処によると「②以外のことは、良く努力されていると労基官からお褒め言葉があったそうです。但し、②を実行していなかったので、今後3カ月間ほど出勤簿と賃金台帳とを労基署に提出するように指導された」と言うことでした。そして特に、見込割増賃金制度(=固定残業代制)を就業規則(給与規程)に明記したことに関して厚くお礼を言われました。

私の指摘に従い②を直ちに実行していれば、労基署調査で100点が貰えたのに残念だなと思いましたが、労基署調査ではほぼ合格点が出たようだし、結果として私の指摘事項を全て実施してくれることになったのだから(労基署調査が私の仕事の後押しをしてくれたようなもの)、私としては満足でした。