社内で「サンクスカード制度」を採用して、ポジティブな発想をする社風の会社になりませんか?
やり方は極めて簡単です。誰かに「ありがとう」と伝えたいようなことをしてもらったら、サンクスカードをすぐ書いて総務経由で本人に渡してもらいます。沢山サンクスカードを貰った人や沢山サンクスカードを書いた人を四半期ごとに表彰しても良いのです。
実は、息子が自動車免許を取りに、島根県益田市にある合宿制の教習所に行きました。そこでやっていたのです。大変面白い現象だなと私が思ったのは、息子曰く「教官が教習課程の終盤でみんなを集めて危機(リスク)管理の話しをしたとき、教官がこの教習所でヒヤリ・ハットしたことを参加者に発表させようとした処、みんな楽しかったことは語れても、誰もヒヤリ・ハットの体験を語れなかった」ということでした。参加者である教習生は、それまでこの教習所に着いてからズッ~とサンクスカードを書くために、毎日何かサンクスカードを書くようなこと(良い点)は無いかと魚の目・タコの眼だったらしく、ヒヤリ・ハットしたこと(悪いこと)はほとんど記憶に残っていなかったらしいのです。
人間はどんな視点からモノゴトを見るかによって、そのモノゴトの捉え方が変わり、それによった考え方も変わるらしく、サンクスカードによって教習生はプラス発想する人間に変わったようなのです。息子も教習所から帰ってからは、モノゴトのとらえ方、考え方が少しポジティブに変わったような気がします。
得てして社内では他人の嫌な点が目につき・耳に入りますが、見方・考え方を変えるだけで他人の良い点(強み)に目がいくようになります。他人の悪い点よりも良い点に気づくようになると、脳細胞の中でドパーミンが溢れるようになります。昔しからの格言に「アバタもエクボ」と言い、好きな彼女であればアバタもエクボに見えるようになるのが人間であると言われます。
コンサルティング理論で「強みをチャンスに生かす」ことの重要性が言われて久しいものがありますが、社内でサンクスカードを採用し、ポジティブな見方ができる人達が集まった会社になれば業績も改善し始めます。
私は仕事柄、懲戒処分の相談をよく受けます。そして、この時に私は必ず「信賞必罰を明確にして組織としてのケジメをつけることが大切です」と指導します。この時には懲戒ですから処罰する訳であり褒める訳ではありません。しかし、「信賞必罰を明確にする」とは、処罰することだけを言うのではなく、褒めるときには褒めることが必要であるという意味も含んでいます。
是非、サンクスカード制度を社内で実施して、ポジティブに考え、ポジティブに行動する会社になられることをお勧めします。
因みに、この合宿制の教習所は島根県の片田舎にありますが、関東、近畿、四国、九州などからも教習生が来るほど良い教習所のようです。息子は7月18日に行き8月2日には帰って来て(実質15日間)、8月3日には免許センターでペーパーテストだけを受けて普通自動車マニュアル車の運転免許証を持っていました。私からすると、運転免許証は兎も角として、団体生活を体験させることができたこと、サンクスカードのお蔭で息子がポジティブ発想するようになり始めたことが有り難いです。
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