ある会社で社長が交代しました。6月の株主総会で承認を得た後に、この会社の総務は新社長の社会保険加入手続きを行いました。
にも拘わらず、8月初旬に本人に届いた年金振込通知書には6月分と7月分の年金を8月15日に振り込むことになっているのです。この人は従来は非常勤顧問で週25時間未満の勤務でしたから社会保険に未加入で、年金全額受給できていました。しかし、社長に就任して社会保険に加入すると、社長としての報酬は多額ですから全額支給停止となる筈なのです。
ご本人から「後で年金を返せと言われるのは嫌だから、どうすれば良いのか?」という質問があったので年金機構に確認のうえで次のように回答しました。
社会保険に加入した月の年金(6月分)は支給されるが、7月分の年金は本来支給停止となるべきものが制度不備から振り込まれてしまうものである。
また、年金の過払いがあっても年金機構が本人に直接に返金されることは稀であり、基本的には将来年金が受給できるようになったときに相殺される。
従って、今回の場合は年金振込通知書にある6月7月分の年金が全額振り込まれ、過払いとなる年金7月分は、将来65歳になったときから支給される基礎年金(基礎年金は在老の支給停止の対象にはならず全額支給される)と相殺される。今回の過払(7月)分に関しては、年金機構から返金しろという請求が来ることは無い(通知はある筈)ので、使ってしまっても良いし、65歳時の基礎年金が相殺減額される場合に備えて貯金されていても良い。
以上を回答した処、大変に喜ばれました。
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