復職を同僚から拒否された従業員

労災事故で1年半の間、療養のため休業していた従業員が、医師の診断書を持参して復職を申し出てきました。

会社責任者と本人の話し合いで、一機に通常業務に復職させて再発するといけないから1カ月程度は残業・深夜労働・休日労働等を禁止したリハビリ就業期間として復職を認めることになりました。

本人が帰った後に、会社責任者はリハビリ就業期間中にさせるべき簡易な仕事を元の職場の責任者に予め考えさせるべく現場に打ち合わせに行ったのですが、問題はその後に発生しました。

元職場の責任者も、他の部門の責任者も、「あいつは駄目だ!! 」と言って、復職させ自部門で受け入れることを頑なに拒否するのです。詳細はまだわかりませんが、理由は、本人の協調性にあるようです。

この会社は、事業再生中の会社で、既存従業員は一丸となって新しい事業に取り組んで会社をなんとか良くしようとしています。そのチームワークが乱されることを極端に嫌っているのです。受け入れる職場が無い状態ですから、復職させようにもさせられません。

一方、法律的には、労災治療中とその後の30日間は解雇できませんし、解雇するにしても労働契約法により「客観的に合理的であり、社会通念上止むを得ない」と認められる理由が必要となります。会社の現況は、一時最悪の状態であったものの、いまは少しずつ立ち直り、整理解雇が必要という状況からは脱しています。

このような場合(コンフリクトの発生)は、法律により判断しようというのではなく、双方の目的を明らかにして職場責任者や本人と会社責任者がよく話し合い和解の道を見つけ出していくしか無いと考えます。取り敢えずは、解決策が見つかるまで本人に休業手当を支払うことを条件に会社都合により休業させようということになりました。