労働基準監督署の長時間労働による過重労働の調査

10月と11月の年金事務所調査が終わりホッとする間もなく、11月下旬から労基署による長時間労働に伴う過重労働に関する調査が、東京の所沢労基署、四国の高松労基署、広島の呉労基署、同じく廿日市労基署からありました。立て続けの調査であり、東京や高松に出張すると丸一日を費やすことになり、しかも事前にチャックしたり資料を準備したりしなければならなかったので大変でした。

この一連の労基署調査で注意すべき点は

①労働安全衛生に関する調査が主眼ですが、やはり未払賃金に関しても調査されます。

②残業が多かったり(月80時間超)や法定休日出勤が多い会社では、業務改善することでこれらを削減しなければ60時間超の残業をさせた場合は割増賃金割増率が上がりますから、残業時間数を削減する努力が必要です。その上で、現状の長時間労働に対して、過重労働から発病(鬱病などの精神疾患)することの無いように、どんな対策を会社が講じるかを検討し実行していることが必要です。私の顧問先では、80時間超の残業をした従業員には医師との面談を希望するか会社が打診して、本人に体調に関するチェック表を提出させるようにしています。

③東京の所沢労基署では、10人以上50人未満の事業場に義務付けられている安全衛生推進者を指名・周知させ、その者に労働安全衛生協会が主催するセミナーを受講させるように命令されました。いままで安全管理者や衛生管理者を50人規模以上の事業場が定めてないければ指摘されましたが、このような指摘(労働安全衛生推進者)をうけたことが無かったのですが、精神疾患にかかる従業員が多発しているから労基署も指導基準を法律に従い厳しくしたようです。

④時間外休日労働に関する協定書の特別条項の届出をしていなければ月45時間超の残業はできません。特別条項で届け出ていれば月45時間超の残業をさせることができますが、年間6回(6カ月)までです。従って、この6回という回数を超えて45時間超の残業をさせている従業員がいないかもチェックしておくことが必要です。

 

未払賃金のことも調べられますが、主眼通り長時間労働のことを徹底して調べられますので、業務改善を予めし始めておくことが肝要です。