些細で必要なことほど迅速に処理

毎年、いま頃の時期に私の確定申告のために支払調書を私がつくり各取引先に持参し金額を確認して貰っています。そもそも、この支払調書は会社がつくり私に交付してくれるものなのですが、開業したての頃にご縁があった小さな企業が支払調書を交付してくれなかったので私がつくるようになり、その後は私がつくり会社に内容確認して行った方が確実に早く全取引を確定することができるから続けているものです。

そして毎年、この支払調書を会社に持参して感じることなのですが、業績が良い会社ほど早く返却してくれるのです。中にはその場で確認して返却してくれる企業もあります。今年は既に会社の方で作成済みで私が来るのを待っていた会社もありました。

このような会社は、本当に忙しいから相手の動きを予測し、事前に自分達の都合の取れる時間帯を利用して作成していたようです。また、業績が良く本当に忙しい会社は、後でやろうとすると忙しいから些細なことを失念してしまう可能性があるから早急に処理してしまうようです。もし、それさえも出来ない位に忙しいときは、このような会社は「何日に取りに来てください」又は「何日までに郵送します」と期限をつけて後処理されます。

業績不振なので忙しいと言いながら本当は暇な会社は、後でやろうとしてそのうちに失念してしまっている場合が多いようです。当然のことながら、期限を設けることもありません。このような会社は仕事に振り回されて仕事や作業をしていることが多いようです。

色々な会社とお付き合いをさせて頂いて思うことは、どうもこの些細な積み重ねが大きく会社業績に影響しているような気がします。言葉を変えれば、些細なことも漏らさずに自らを見失うことなく大事な仕事を計画的に進めるために、些細だが大切なことはその場で処理するよう自らを律する(規律)習慣が会社として定着しているか否かということです。

事業再生のお手伝いを色々な会社でさせて頂いて、私はどの会社でも「5S運動(整理・整頓・清掃・清潔・躾け)の徹底」から始めますが、同時に事業を再生させるためにこのクイック・リスポンス体制づくりも手がけていきます。業績不振の会社に限って大切な決定も先送りしてしまう体質があるものです。

①「急ぐし重要なこと」、②「急がないけど重要なこと」、③「急ぐけど重要では無いこと」、④「急がないし重要でもないこと」の区別をつけるようにし、①の後には②に取り掛かる習慣づくりのお手伝いをすることが村上流事業再生の基本です。

このことから「自立すること(自らを見失わないこと)」「目的持ち、目的を明確にすること」「優先順位をつけること」が大切と記載されている書籍「成功のための7つの原則」(正確な書籍名ではありませんが)の基礎編は正しいと思います。また『「忙しい」という漢字は「心を亡くす」と書く』という言葉も正しいと思います。