昨日は社会保険労務士会の労働相談担当の日だったので広島県社会保険労務士会事務所に終日いました。
相談受付時間が終了して事務所に帰り、ホッ~!!としてコーヒーを飲んでいたら、携帯電話に知り合いの税理士から電話が入り、「自分の娘のことで至急に相談したいことがある」と言われ、その人の事務所までいくことになりました。税理士と話しをするのかと勝手に思い込んで行くと、娘さんも同席していました。労働相談担当業務が終了し、ホッとしていた午後6時過ぎから午後9時までお話しを聴きアドバイスしましたが、正直にいってキツかったです。
内容概要は、妊娠したのでもうじき産前休業に入る予定の娘さんが勤務していた会社が他社に営業譲渡し、勤務していた店舗は廃店となるので退職勧奨をされたらしいのですが、その娘さん以外の人は他店に配置転換されることになったという娘さんの報告から始まりました。ここまでのお話しを聞くと、退職勧奨の有効性に関するお問い合わせかと思いましたが、娘さんの思いは、
①年次有給休暇を全て取得してから退職したい。
②産前産後休業中に貰える出産手当金もできれば貰えるタイミングで辞めたい。
③失業保険はできるだけ早く貰えるようにして辞めたい。
という3点であり、退職することに異議を唱える考えは無いようなのです。
そこで
①に対しては、年次有給休暇の残日数を調べ、出産予定日から逆算して6週間前の日以後まで年次有給休暇を取得できる日から年次有給休暇を開始すること。また、その為に年次有給休暇取得届を会社に提出すること
②については、既に①で織り込んであるので、年次有給休暇取得後に退職すれば、退職後も産前産後の出産手当金と出産育児一時金は手続きすれば貰えること
③会社に提出する辞表に退職事由として(a)会社から営業譲渡後には悪化した労働条件を承諾するか、退職勧奨を受け入れるかの選択を迫られたこと、(b)また自分の出産予定日が迫り、当初の自分としては産前産後休業を取得し育児休業も取得した後の家庭環境と自分の体調と新しい勤務先の状況を併せ考えて退職するか継続勤務するかを判断するつもりであったこと、の2点を記入しておくようにお勧めしました。
普段の私は従業員側の相談にはのらないのですが、知り合いの税理士の娘さんの件という止むを得ない事情により相談に応じました。そして、やはり従業員さん側の相談は、感情が先走っているので自分がどうしたいのかが不明確であることから、話しの途中で解決策をアドバイスし始めると(今回の相談だと、話しの最初は不当解雇に異議申し立てしたいということになってしまう)、本人の意思とは違う方向になってしまうから、少々お話しが長引いても相手の話を最後まで訊くことで相手の感情の高ぶりをナダメルようにし(お話しの途中で適切な質問をしていくと相手が徐々に理性を取戻し始めます)、最後に相手の本心(どうしたいのか?)を確認した方が良いと思いました。
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