成長を続ける就業規則

この度の高年齢者雇用安定法の改正と労働契約法の改正で労使協定書と就業規則一部を変更した会社から、平成19年に就業規則全文を再構築して以来、変更に次ぐ変更で、就業規則がわかりにくくなったので一冊に纏めてもらいたいという依頼がありました。

企業としては変更した条文を元の就業規則に置き換えるだけのつもりであったようなのですが、私は平成19年当時と比較して法律も変わったけども、それ以上に企業も従業員も変わったし、一番に社会環境がかわったから、平成19年制定の就業規則では不足する条文がある(SNS対策、精神疾患対策ほか)と考え、その後私が実務から習得した新しい条文も追記するようにお勧めしました。裁判例などを読んでいると、昔しと現在とを比較すると就業規則の果たすべき役割が少し変わったような気がしているからです。それに加えて労働契約法では、労働条件の不利益変更まで条文化された現在では、就業規則を昔しのように金庫に締っておけば良い時代は終わったように考えているからです。

昨日午前中に約2時間をかけて、提案した新しい条文の趣旨を社長と総務部長に説明しました。この結果、この会社の就業規則に対する認識が少し変わったような気がします。

さて、今日から決まった条文を従来の就業規則に挿入する作業に入りますが、これがまた大変な作業なのです。白紙の状態から新しい規則をつくるよりも、既にある規則を踏まえて新しい規則を制定する作業の方が時間がかかるのです。年度末・年始の事務に追われていましたが、それも一段落したのでやっとこの会社のご依頼に対応することができるようになりました。