社長と平取締役の社会保険加入義務

昨日、ある顧問先の社長から「息子を妻が社長に就任している別会社の平取締役にしたいのだが、社会保険に加入せさる義務があるか?」というご質問がありました。

個人事業主であれば社会保険に加入しなくても良い場合がありますが、株式会社など法人の社長となると従業員が一人もいなくても社長一人で社会保険に加入することが義務付けられています(無報酬の場合は別)。しかし、平取締役の場合は就業の実態によって加入義務が発生したり、しなかったりします。

そのため、年金事務所の判定基準をその社長にメールせていただき、それを元にお話しを続けることにしました。

結論としては、「ご子息は親会社の課長であり、将来に備えて子会社の取締役に就任するけれども子会社の業務を行うことはない」ことから、社会保険に加入する義務は無いことがわかりました。

また、子会社では社会保険加入義務は発生しないから2以上勤務者にも該当しないことが分かりました。

このようなご相談は、子息に限らず、非常勤取締役(役員)や顧問、理事という呼称を使っている場合によくあるご質問です。判断の基準は年金事務所の基準に基づくことが必要ですが、実態を正しく把握することが一番大切です。特に、最近は60歳を超えた古参従業員を功労賞的に取締役に就任させるケースも増えていますから・・・。呼称と法律上の地位の違いを判定することは難しいことですから、できるだけ呼称を法律上の地位に相当する呼称と一致させてもらいたいものです。