土曜日の午後は、第2回大学連携特別講座に参加しました。
第一講座のテーマは「経営戦略・ケース学習」、講師は広島修道大学の金原達夫先生でした。
私が経営戦略を学んだのが今から約40年前の学生時代です。その後、48歳のときに会社を倒産させてしまい、倒産の後始末をしながらコンサルティングの勉強をした際に少しだけ経営戦略のことを学びました。その為、経営戦略という学問がその後にどれほど進化したか、また新しい理論は無いかと興味がありました。
講師は「経営戦略は"企業の成長と利益"というテーマの研究から始まり(これが私が学生時代に学んだこと)、その後コトラー教授が"競争優位論"を唱えたので(これが50歳前頃に私が学んだこと)コスト優位と差別化の研究へと変化していき、今は製品革新やビジネスシステム等の組織能力の研究(これは私の実務で行っていること)へと進化しつつある」と説明してくれたので、大変によく理解できました。要するに「競争」で勝ち残ることを前提としてライバルを意識した戦略を構築する考え方から、「リソース・ベースト・ビュー」、要するに自社内の経営資源を有効活用してオンリーワンを目指す戦略構築に変化したようです。この様に考えると、10年位前からバランス・スコア・カードの4つの視点を基にした経営戦略構築が主流になりつつあったことが理解できました。
90分単位の講義のために十分な内容説明はされませんでしたが、講義終了間際に参加メンバーによるディベートの時間を取ってくれていたので大変に参考になりました。そして講師いわく「どの戦略をとっても、工夫の余地は沢山あります」と言われたことが当たり前のことですが私には印象的でした。
第二講座のテーマは「共感ブランドに関する消費者行動分析」というテーマで、講師は相模女子大学の金森剛先生でした。
マーケティングの一般論から講義は始まり、マーケティング論の主流となっているブランド戦略に関して、
(a)ブランドを最近は①機能ブランド、②イメージ・ブランド、③経験ブランドに大別すること、
(b)ブランドを確立するには色々なことをしなければならないが、その優先順位を決めるに際して、客観性と論理性を出すために最近では共分散構造分析やテキスト・マイニングのPCソフトが使用されている
とのことでした。私が学生時代に学んだマーケティング論とは様変わりして、いまではインターネットやPCが普及したので、まるで統計学になったようでした。そして10年前位から始まったことですが、何でもかんでも「ブランド構築」という漠然とした言葉で逃げてしまいマーケティングがまるで言葉の遊びになってしまっていること、またアンケート調査を元にした統計結果はアンケート内容次第でどうにでも結果を操ることができるので調査結果を鵜呑みにしてはならないことを学生時代に学んだ私としては現在のマーケティングの潮流には大いに疑問を感じました。
ただ、私は色々な説明があった中でも、コ・クリエーション(価値共創)戦略の考え方に共感を覚えました。何故ならば、インターネット・ビジネスが普及しても、顧客が知人に"口"で広めてくれる位に良い製品でなければインターネットでは売れない現実を痛感しているからです。
第一回大学連携特別講座のときには、講義が終わり次第にバスで松江市に移動して事業再生の勉強会に参加したため、大学連携で学んだことを余り振返る時間が無かったのですが、第二回の今回は今晩と明日の日曜日にシッカリと復習して実践で役立てようと思います。
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