「やっていないこと」「・・・でないこと」を証明せよと要求することを「悪魔の証明」と呼びます。法律的には「悪魔の証明」を請求してはいけないことになっています。
「やってない」「・・・でない」訳ですから、直接的に証明することは不可能です。間接的な事実を示して、「×××だから、・・・ではないですよネ」と伝えて相手の推認を待つしかありません。
今日は些細な例ですが、そのような要求をされました。ある会社の従業員さんから「息子が自分の(健康保険法上の)被扶養者でないことを証明してもらいたい」と言われたのです。「何をすべきか」は直ぐに連想できました。しかし、この従業員さん親子は性格がいい加減で、息子さんを被扶養者から外した時も、税務調査で息子さんの所得が200万円以上あることが分かったから被扶養者から外した経緯がありました。しかも約3年前のことです。
そこで、少々お灸をすえることにしました。
年金事務所に依頼すれば「何年何月から何年何月まで健康保険の被扶養者であったこと」の証明書を発行してくれます。そして、私のこの従業員さんに対する返事は「何年何月から何年何月まで健康保険の被扶養者であったことは証明できますが、被扶養者でなかったことは証明できません。その書類を提出しなければならない先に、何の証明書がいるのか再度確認してから私に具体的帳票名で依頼してください」とお答えしました。
3年前に税務調査が原因で被扶養者から息子を外したのに、今頃になってこんな証明書の発行を希望してくる処をみると、3年前に被扶養者でなくなってから今まで国民健康保険にも加入していなかったことが推測できます。
3年前は息子さんの税務調査で煩わしい手続きを手伝わされ、しかもその2年前にはこの人の奥さんのことで同様のことがあり、もうこの従業員さんには散々手こずらされていますから、これ位のお灸では軽すぎるくらいだと思います。
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