労働基準監督官がやって来た!!

今日は労働基準監督官が来社するので立ち会って貰いたいという会社に行っていました。この会社は約5年前にも労基官の臨検調査(労基官が会社に来て調査すること)を受け、そのときには未払い残業代を、かなりの額支払わされた経緯があります。

その後、就業規則を整備したり、給与体系を修正したりしたので、ミスの無い限りは未払い賃金は無い筈です。何故、臨検調査をするのかナ? 最近辞めた人が何かチクッたのかナ?と考えながら同席していました。

タイムカードや賃金台帳を労基官は調べていましたが、案の定、未払い賃金はありませんでした。ここで、私はホッと安心!!

しかし、調査対象期間中の1カ月だけ、しかも1名だけが100時間超の残業をしていることが発覚しました。そこで、厳しい指導をうけるハメになりました。また、他にも4ｶ月連続で80時間超の残業をしている従業員がみつかり、36協定の特別条項で定める6回の限度を超えないように厳しい(執拗な?)指導がありました。

最近は精神疾患(特にウツ病)に罹患する従業員が増え、その原因の一つが長時間労働であるとされ、しかも100時間超の残業を1カ月でも行っていると会社の管理責任を問われることになるのです。この会社では、私が以前配布していた自己申告票を該当者に記入させ、自覚症状は全くないこと、医師との面談は希望しないこと、を書面にしていましたが、その措置では不十分であるというのが労基官の見解でした。そして、法的な義務ではないが、100時間超の残業を行った従業員には会社が業務命令として医師との面談を受けさせるように!!と労基官から指導されてしまいました。

一瞬、私は反論しようかとも考えましたが、色々な会社から私へのご相談で精神疾患に罹患した従業員に関する相談が増えている現状を考え、反論は自重することにしました。

兎に角、今の労基調査は長時間労働対策に重点を置いていることがよく理解できた臨検調査でした。