認定支援機関向け経営改善・事業再生研修 実践力向上編

年明け早々から頑張って時間のやり繰りをして、1月16・17日は岡山市で「認定支援機関向け経営改善・事業再生研修 実践力向上編」を受講して来ました。

結論から言って、有意義な研修でした。

講師は"あずさ監査法人"の久保田浩文さまで、主にグループ・ディスカッション型研修でしたが、グループ討議の結論を発表した後で実務家の講師の実務経験上のことを色々と教授してくださいました。書籍や自分だけの体験では不安に思うようなこと等が色々とわかったので大変よい勉強となりました。

また、研修の冒頭で講師が「浅い仕事を繰り返しても、ためにならない。最初の仕事を損得抜きでトコトンやることで、仕事の核質的な部分を理解することが大切です」と語ったことに共鳴しました。

また更に講師は「世間ではPDCAが大切とよく言うが、本当に大切なのはDCAの部分だから、Pの部分に余り固執しない方が良い」とも言い、そのことにも私は体験上から共鳴しました。緻密な計画を立てようとして時間を費やすよりも、ラフな計画でも迅速に組み、まずやり始めて、やりながら計画を修正していき、最後には目的を達成させれば良いのだと考えます。特に、事業再生の現場で十分な情報やデータが予め揃っていることは稀であり、希薄な情報とデータから客観的にアタリをつけて(仮説を立てて)、やり始めることが必要となる場合が圧倒的に多いからです。

グループ・ディスカッションのテーマは、①自動車部品製造業、②イタリアン・レストラン、③パン洋菓子製造小売業、④クリーニング店、⑤ドラッグストア、⑥美容室と業種が幅広く、また企業規模も中小企業から零細企業・個人商店までが網羅されていました。

参加者のほとんどが税理士さんや銀行員さんでしたが、同じチームになった税理士さんは「これだけの内容の研修が無料で受講できて立派な資料まで貰えるとは有り難いことです」と言っていました。因みに、社会保険労務士は私一人きりでした。その為かもしれませんが、講師を含めて出席者のみなさんは労働諸法は余り詳しくなく、事業再生をお手伝いするときには、労基法よりも特に労働契約法の知識が必要だナ!! (解雇を含めて、労働条件の変更が必要となる場合が多い)と思いました。

しかし、研修が終わり新幹線に乗る前にタバコを一服していると、別グループだった人が話しかけてきて「事業再生の研修を受けるのは良いが、実務上で事業再生などほとんど無い」とボヤいていたので、私は「事業再生の手法・考え方を知識として習得し、それを経営改善で役立てれば良いのです。経営改善することで企業が危機的状態に陥ることを防げたら、それに越したことはないのではないでしょうか?」と苦言を呈してしまいました。

ただし、宿泊したホテルではレストランが夕方は閉まっており、ホテルの周りには飲食店が全く無いため、寒い夕暮れの中を夕食のためホテルから岡山駅まで往復せざるを得なかったのには参りました。