労災認定

2年強前に、精神疾患に罹患し休職している人から労災ではないのかという相談を受け、労基署の判断を仰いでいた案件に労災認定が下りたという連絡が本人からありました。私もホッとしました。

2年強前の社会保険労務士会の無料相談会で来た相談者から「毎日朝8時から午前0時頃まで残業をせざるを得ない状況が半年間続き、その結果、躁鬱病に罹患したのだが、労災になるのか? 最後の1カ月間は上司からの叱責も酷かったのだが・・・」という相談を受け、その後は無料でこの人にアドバイスを続けていました。但し、普段の私は会社側に立つ社会保険労務士ですから、この人には「未払い残業代を会社に請求しないこと」「訴訟ほかの手続きはとらないこと」等を条件にアドバイスをしていました。

一番難航したのは、「会社の命令でタイムカードの終業時刻は午後7時に打刻し、それ以後も会社で仕事を行い、早くて午後11時、遅いときには午前様となって帰宅していた」「午後7時以後に残業をしていたことを証明する直接的証拠が何もない」「会社は残業していた事実を否認している」という点でした。間接的に証明できる状況証拠を揃えられるだけ揃えて貰い、労基署にも調査をしてもらっていました。

この2年間、焦らずに、一つ一つの駒をひっくり返していきました。この間に、障害厚生年金の手続きも行いました。そして、やっと今日になって労災認定が下りたという連絡が本人からありました。良かったです・・・。この兄弟(天涯孤独の兄弟です)が幸せになってくれると良いのですが!!

相談を受けて解決までに時間がかかったのは、労基署の調査と審査に時間がかかったことは言うまでも無いことですが、本人が精神疾患に罹患し自宅で寝込んでいるので、事情聴取できる日時が本人の体調の良いときに限られたため事情聴取だけで9カ月程度かかってしまったことにも原因があります。