人事考課表の再検討を依頼された企業で、各職位ごとに「果たすべき役割(責任と権限)」(職務分担表)を明文化していた処、あるポジションは果たすべき役割が特にないため人事考課改善の前に組織改革が必要であることがわかりました。
この企業からの依頼は人事考課表の再検討だけでしたので、職務分担表を作成し始めたときには、会社の人から「何でこんなことをする必要があるのか? 我々が依頼したのは人事考課表の再検討なのだが・・・」とその必要性に疑問を持たれましたが、最初は嫌々ながらも進行させていくうちに会社の人達にもその必要性が理解できたようでした。そして、挙句の果てが、人事考課をより適切なものにするためには組織構造の改革が必要であるという結論でした。その結果、人事考課表を再検討する前に「会社としての"あるべき姿"」を組織図として描き、組織の構造改革を先行させようということになりました。但し、同時に人事考課の仕組みも改善しますが・・・。
このように「会社の人達が把握している問題」の本当の原因(真因)は「会社の人達が問題だと考えている問題以外」の処にあることが多いものです。
この後に別な会社で利益処分案に関してのご相談がありましたが、その際に好調だった前期の事業報告書(案)を読んだ処、前期期首に立案した対策は記載されているものの、その結果の記載は無く、ただ好調だった数字だけが記載されており、好調だった要因の分析も的外れであることが分かりました。利益処分案に関して私がアドバイスできることは『"長期的利益"と"短期的利益"のバランスを図ることが大切であり、好調のときこそ将来に向けての投資が必要であること』程度のアドバイスですが、好調の原因分析が間違っていると短期的利益の処分方法も適切出来ないものになってしまいます。そして、前期の分析が適切なものでなければ次期の対策も適切なものではなくなってしまう可能性があります。そこでアドバイスをした次第です。
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