先週までの3週間は顧問先の依頼で、監査役の取締役と一緒に各支店の業務監査(労務監査を含む)をして回りました。業務監査をするときには、事前にその会社の諸規則と関係法規を調べ熟知しておくことに大変な労力が必要となります。しかも今回は抜き打ちの業務監査ですから、訪問した各支店とも吃驚していましたし、訪問してから監査で必要となる資料等を準備しますから多大な時間がかかりました。しかも中国地方5県だけでなく博多支店まである会社でしたから移動も大変でした。監査役は①カネ②モノ③ヒトの優先順位で監査され、私は①ヒト②モノ③カネの順位で監査を行い、双方の擦り合わせ(視点が違うので見解も異なることがある)をしてその支店を総合評価しました。
会社の諸規則は大変に厳しい内容でしたが、各支店とも85点以上はつけることができる実態でした。支店長を含めて各従業員ともよく頑張っていらっしゃいました。
そして、その監査中に私が驚いたことは、「腰痛(軽いヘルニア症状)になった従業員さんに、この会社の会長は自分のポケットマネーで接骨医に通院させていたり(医師は完治と診断している)、病弱な奥様がご出産された後に暫くはその従業員(夫)を早帰りさせていたり、子供が進学するとお祝いを会長さんがわたされていたりしている」ことです。会長さんが100人強いる従業員一人ひとりの家庭事情まで把握されていることに私は驚きました。
仕事では「厳しい」、しかし人間としては「優しい」会社です。これで従業員さん達が"やる気"にならなければ嘘です。「優しさ」の中に「甘さ」は紛れ込んでいませんでした。そのせいか昨年の業績は極めて良好な内容でした。前掲の"稲盛和夫著 京セラフィロソフィ"では「優しさ」のことを「大家族主義」と表現されていますが、これは正に「従業員は家族と同様」しかし「そこに"甘え"や"曖昧さ"は無い」状態を言うのではないでしょうか?実は約10年位前にお付き合いしていたトラック会社の会長さんも同じようなことをされ、言われていたことを思い出した次第です。
しかし、疲れました。
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