魚は頭から腐る!!

この1カ月間で通常月の約3倍の件数を訪問したときに気づいた各社に共通することがあります。この中には、成長を続けているが一層の飛躍を求めている会社があり、また低迷を続けて倒産寸前の状態に陥っている会社もありました。

共通して言えるコトは「魚は頭から腐る」ということです。この意味は「会社組織が変になってしまう一番の原因はトップにある」ということです。しかしお会いしたトップの皆さんは「どうもウチの社員は・・・」から話しが始まります。

そして更に、「社員と幹部との距離を広島市と岡山市の距離に例えるならば、トップと幹部(専務や常務)との距離は地球と月との距離に匹敵する(モノの見方・考え方が全く違う)」ということも言えます。

トップにたっている人は過去の人生で貴重な体験をしています。そして、その体験を元にしてモノゴトを判断する傾向が次第に強くなっていきます(体験も知識も無い人がトップに就任することは無責任と言えます)。成長を続ける会社のトップは「自分の過去の体験」ではなく「自分の夢・目的」を元にしてモノゴトを判断しています。しかし、トップに就任して年数が経過していくと、過去に自らが判断した事柄との一貫性を求める傾向が組織内部で強くなり(部下や組織からそれを要求される)、環境が変化したにも関わらず過去と同じ判断をしてしまいがちです。その結果、次第に会社組織が硬直化していきます。また、トップの加齢に伴い、安定を求め変化を嫌う傾向も出てきます。そして、気付かぬうちに会社組織が環境に適応しきれず変になっていくのです。

このような場合のコンサルティングが一番厄介です。ストレートに指摘するとトップを批判することにも繋がり、トップの自尊心を傷つけてしまうからです。

しかし、現代の経営者(トップ)はバブル期以前の経営者と違い、環境が激変し続けていますから過去の自らの体験だけを元にしていては正しい判断ができなくなっています。その為、現代のトップはモノゴトの原理原則を知る為に、また創造的な企業活動を続けるために、勉強し体験し続けるこどか必要となっています。従って、トップを批判することではなく、環境(判断する前提条件)が変化していることをトップに諭し、トップ自らに気づいてもらうことが大切なこととなります。

今から約35年位前に船井総研の主催するコスモス倶楽部で「成功・成長の3条件」というのを学びましたが、①「勉強好きであること」、②「素直であること」、③「プラス発想できること」という内容でした。当時の私にはいま一つ理解し難い内容でしたが、今まさにトップに求められるのはこの3条件ではないでしょうか? そして「守勢にならず常に変化を自ら創造していくこと」が必要なのではないてしょうか?

トップが勉強し続けチャレンジをし続けるから、幹部や一般社員も勉強しチャレンジし続けざるをえなくなる環境を整えることが成長する企業を育む前提条件となるようです。