7月20・21日の連休まで続いた算定基礎届・労働保険年度更新ほか定例業務を中心とした異常な忙しさはこの連休で一段落したのかと思っていたら、連休明けに立て続いて相談の予約が入り、結局7月中は広島市内だけでなく呉市・福山市・徳山市・福岡市ほか色々な所を飛び回り、気が付いたら7月が終わっていました。全く嬉しい悲鳴です。
そういう中で、昨日は広島市安佐北区可部の会社と呉市の会社を梯子しました。両社とも就業規則に関する相談で、しかも業種まで同じであり、違いは人数規模だけでした。このようなとき梯子をすると、どっちでどんなお話しをしたかわからなくなってしまうので慎重に対処することが必要です。
しかし、両社とも結論は同じでした。従業員の時間管理を十分にしていないので、労働生産性が低下している。こういう中で最低賃金が毎年引き上げられていく(今年の全国平均は16円の値上げ見込みだそうです)訳ですから、経営が維持し難くなっている状況でした。要するに「従業員の"自由"を認めている」のではなく「従業員を"放任"している状況」だったのです。
最低賃金が毎年引き上げられる一方で売価の値上げは難しい状況が続いていますから自ずから経営を圧迫してしまいます。このようなとき、教科書的な表現をすれば「一人当たりの付加価値(生産性)を高める工夫・努力が必要」となりますが、これが中々できない会社が多いのです。ですから、このようなアドバイスをするときには必ず企業の実態を踏まえた「具体的なアドバイス」が必要になります。
昨日訪問したうちの規模の小さい方の会社では「規則を創る前に会社が従業員に"シツケ"をすること、"シツケ(躾)"とは"身を美しくする"と書くこと。躾の中で"時間に対する意識"を教育すること」を教え、その基本となる具体的な事項を実行する方法を教授しました。
一方、規模の大きい方の会社では過去3年間の試算表から人件費比率を計算し業界平均値と比較して弊社人件費比率がいかに高くなっているかを見てもらい、そのうえで具体的に"過去のやり方のままで仕事をし続けようとしていないか?""非生産的な仕事をしていないか?""明日やれば良い仕事までも残業で行うなど無駄な残業はないか?"等々を作業工程チェックをしていきました。そして来週私が訪問するまでに済ませておくべき宿題を残しておきました。この会社の担当者の人からすると、就業規則変更の依頼をした筈なのに何故ここまで話しが及ぶのか?と最初は思われていたようですが、結論として私が「就業規則の中に"長時間労働の管理"のことまで記載した方が良い。そしてそのためにはミドルクラスの管理職に対する時間管理の教育が重要です」とお話ししたことで合点されたようでした。
いずれにしても最低賃金が毎年引き上げられる一方で製品売価を値上げすることが難しい昨今の状況の中では、会社中のムダなコストを抑制し、従業員一人当たりの"時間当たり生産性"を高めることで会社経営を維持・発展させていく方法を考えるしかないと思います。そして、人件費を"コスト"として考えるのではなく、"投資"として考えることができる会社になっていくことが必要な状況だと考えます。
この後、呉市から広島市中区まで戻り19時から始まるある会社のミーティングに出席しましたが、ミーティング中に流石にヘロヘロになってしまいました。
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