昨日はある会社の定例取締役会に参加しました。今までこの会社の定例取締役会は前月の試算表が10日前後に出来上がるので毎月10日頃に開催されていましたが、今月は例月よりも早いので「盆休みの関係から開催日を早くしたのかナ?」と思って(オブザーバーとして)参加しました。
いつものように5人の取締役プラス私での開催です。そして、まだ4日なのだから試算表が出来ていないだろうと思いながら私は参加したのですが、なんと7月の試算表が出来上がっているのです。私は吃驚して「偉く早く試算表ができましたネ!! どうかしたの?」と思わず尋ねてしまいました。
そうした処、社長さんが「村上さんが我社の取締役会に初めて参加したときに指摘したジャあないですか!! 村上さんは"①経営は憶測や推測ではなく事実を元にして判断しなければならない、②そのためには現地・現場・現物主義を徹底すること、③そして試算表は翌月5日までに出来上がっていることが必要です"と教えてくれました。この三原則を社内で徹底してきたのです。試算表は結局、税理士任せにするのではなく、自社で作成することにしました。5月頃までは不慣れさもあって翌月7日過頃まで試算表ができなかったのですが、経理部長の改善で今月初めて3日に出来上がったのです。経理担当者はかなり大変だったようですし、10万円未満の数字はまだ精査できていませんが経営判断に必要な単位は十分に精査できています。お蔭さまで"事実に基づき俊敏機敏に動く会社"に一歩近づけたと思います」と誇らしげに語られました。
その試算表の内容を見ると、これまた素晴らしい業績を挙げていらっしゃいました!!業績が極めてよく、しかも年度当初の経営計画で計画した内容が予定通り実行されていたようなので、昨日の取締役会は「試算表を"観"ながら各取締役が疑問に感じる点を摘出する作業」に終始しましたが、これは大きな前進ではないかと私は思いました。
この会社と私のご縁が始まった頃は、この会社の試算表は翌月20日過ぎにやっと税理士さんから届く実態でした。そして取締役は試算表に確認印は捺印するものの"見"るのは売上と営業利益でけであり、取締役会は毎月15日頃に開催されるものの先月実績が正確に把握されておらず現場からの報告書と間接的事実だけをたよりに(どちらかというと推測と憶測を元に)経営判断をされていました。その為に私は社長が先に言ったことを一番に教授した次第です。この経営方法をコックピット経営と言うそうですが・・・競争が激化し変化が激しい現代社会の経営では必要なことだと思います。因みに、先月試算表を"観ず"に取締役会を開催することは「経験と勘と度胸による経営」と言うそうです。試算表を「見る」から「観る」に変わりつつあり、これが更に「看る」に変わると良いのですが・・・
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