傷病手当金は「もらい始めてから1年半までしか貰えません」!! ただし、その間に退職しても、退職するまでに1年以上健康保険に加入し、在職中に傷病手当金を貰う権利が確定していたら(=最初の待期期間3日間を過ぎてから退職した場合)、退職後も傷病手当金の手続きを自分ですれば貰えます。
数年前に、治療が長引いた為に傷病手当金が途中で貰えなくなった従業員さんがいました。このときは「1年半の起算日」について"けんぽ協会"と散々やり取りした(丁度、閏年の2月末頃に発病されていた為)苦い経験があります。
今回、これの状態になる可能性があるご相談がありました。
ご本人は今年1月初め頃、体調に異常を感じ救急車で病院に搬入され、そのまま緊急入院となったそうです。そして最初の病院では処置不能と分かり、数日後に転院したそうです。
この件を最初にご相談されたとき、私は単なる傷病手当金の相談と判断して、①最初の病院に入院していた期間は最初の病院で傷病手当金支給申請書の医師の証明をしてもらい、②その後の期間は、いま入院している病院で証明をして貰い、③会社の証明を貰えば良いのですヨ!! と"お決まり"の回答しました。
しかし、その後、ご本人と色々なお話しをしていると、(a)給与締日の2月20日までは年次有給休暇を取得すること(=この間は給与が支給されるので傷病手当金の手続きをしても不支給となる)、(b)内臓疾患で治療の見込みが立たず長引きそうなこと(=1年半の受給期間制約が問題になる可能性がある)等が分かってきました。
そこで、急遽、私は「私の前言は全て忘れてください。最初の病院の医師の証明は不要です。いま入院している病院に2月18日以降の労務不能証明を貰い、会社の証明を貰ってください。」と訂正しました。私の最初の説明だと、1年半の起算日が1月初旬に最初の病院に入院して3日経過した日(4日目)となってしまうのに対して、後から説明した手順で傷病手当金の手続きをすると、その起算日は2月21日となり、約1カ月半の差が生じるからです。
最近は医学が発達したから少々の病気であれば短期間に完治させてしまうので、傷病手当金の起算日が問題となることは余り無いのですが、稀にこんなことがあるのですネ!! 注意したいものです。そして特に、最近は治療が比較的長引く精神疾患が増えていますから、精神疾患の場合は要注意です。
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