中小・零細企業は何故に成長できないのか? 毎日、汗水たらして、こんなに頑張っているのに!!
多くの中小・零細企業は、明確な方向性なしに、試行錯誤しながら、場当たり的に経営していますが、会社とは「人が力を合わせる組織」ですから、ある程度の羅針盤が無ければ経営はうまくいきません。羅針盤があれば社員はイチイチ社長や幹部の指示を受けなくても、ある程度は自分で考え自分で実行することができるようになります。ただ単に「頑張れ!!」「頑張って来い!!」と掛け声だけをかけていては、社員は何をすれば良いのか、どっちに向かって努力すれば良いのかが分かりません。その結果、それぞれの社員は「自分なりの一生懸命」を発揮して仕事をすることになり、それぞれの社員の仕事がバラバラなため全体としてのパワーが半減してしまっている場合がよくあります。
そこで、程度の差はあるにしても、まずは社長や幹部が考えている"会社のこれからのこと"を紙に書き出して社員に周知させることが必要となります。
先日、ある会社の社長から「ものづくり商業サービス革新補助金にチャレンジしたいので手伝ってもらいたい」というご依頼がありました。そこで社長から話しを聴いた処、社長の頭の中がまだ上手く整理できていない為、漠然としており、また革新性に欠けることもわかりました。そこで私は社長に「社長が思っていることを紙に箇条書きにしてください」と依頼しました。社長は約1週間ほどかけて箇条書きにされましたがまだ漠然としていてよく理解できません。その為、私は「社長さん、この箇条書きにされたコトをやろうとするときに、何が必要となるかを思いつくままに書き出してみてください」と依頼しました。私としては、整理しきれていない社長の頭の中を整理する為に「深堀作業」を開始したのですが、それから約1週間して社長から「村上さんに言われて書き出してみて、自分の頭の中がまだ上手く整理できていないことが良く分かった。これでは事業としてスタートさせても上手くいかないと思うので、開始するのを少し先延ばしにして自分の頭の中を整理してみようと思う。非常に良い勉強になった。ありがとう。」という連絡がありました。この社長さんは非常に頭が良い社長さんですが、自分では分かっていると思っていても、頭の中にあることを書き出してみると、意外に自分でも分かっていないことがよく判ります。それでは社員に理解して貰うこと、顧客の支持を得ることは難しくなります。
経営には「羅針盤」が必要であり、羅針盤を書き出すことで従業員への周知を図ることが大切です。ただし、船でも飛行機でもそうですが、当初の予定通りに進んでいけることは稀なことであり、途中で羅針盤を頼りに計画を修正し、最終的に目的が達成できるようにすることが大切なことなのです。そして、中小零細企業はこの作業を億劫がって実行しようとしないから経営が上手くいかないのだと思います(過去の自分を振り返ってみるとマサにその通りで、計画なんて銀行に提出するための「絵にかいた餅」と考えていました)。
しかし、色々な会社のお手伝いをさせて頂き、場数を踏んだ今は違います。是非、「経営革新計画」でも「ものづくり商業サービス革新補助金」でも良いからチャレンジしてみて、会社の羅針盤を創る練習をされることをお勧めします。そして、このチャレンジを通じて、会社の羅針盤を創り、それが社員さん達にも判るように具体的な計画にしてみることが大切なのです。
しかし、これらが優れているのは計画が出来上がる点にあるのではないのです。よくあるのは、最初に計画を創ったものの、それで安心してしまい、その後の日々の活動では当初の計画を無視して"流れ"に流されてしまっている例が見受けられます。大切なことは、当初の計画とその後の進捗状況を定期的(出来れば半年と言いたい処ですが、現実的には1年に1回)に比較し、計画を修正・変更していくことです(当初の計画は変更するために創るもの!! 当初計画が無ければ、"変更"ではなく"場当たり的な行動"となってしまい無駄が多いのです)。「経営革新計画」や「ものづくり商業サービス革新補助金」はアフター・サービスとしてフォローをしてくれます。即ち、計画の途中で助言・指導が実施されることで、当初の計画とのズレとその後に必要な行動を気づかせてくれます。しかも、これらを利用すると、補助金が貰えたり、銀行金利を安くして貰えたり色々なメリットがあります。そして、これらの申請が円滑に行えるようにサポートしていくのが村上社会保険労務士事務所の使命であると私は考えています。
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