平成25年に有期契約従業員に関して労働契約法が「同一の使用者との間で有期労働契約が繰り返し更新されて5年を超えた場合は、労働者の申し込みにより、無期転換契約に転換できる」と定められました。今回は、その一部が変更となりますので、説明会に参加して資料を貰ってきました。但し、平成25年に労働契約法が上記のように改正されたのですが、平成25年以降に新たに締結された雇用契約を対象としますから、最短でも平成30年からということになりますので、そんなに慌てる必要は無いのですが、概要だけでも早めに把握して頂くために記事にしました。
変更点は、①高度専門的知識等を有する有期雇用労働者と、②定年後に有期契約で継続雇用される高齢者に関するものです。
平成25年に労働契約法が改正されたときは、①②ともに一般の有期労働契約と同じように「契約期間を通算して5年を超え、労働者が申し出した場合は、無期労働契約に転換させられる」という内容でしたが、今回の法改正(特措法で対応)により、会社が事前に所定の書式(添付資料参照)により管轄労働局長に申請して「認定」を受ければ労働契約法第18条の対象外とすることが出来るようになります。なお、添付資料の第一種計画認定・変更申請書は「高度専門的知識を有する者」に関する届出書であり、第二種計画認定・変更申請書は「定年後に有期契約で継続雇用される高齢者」に関する届出書です。
ここで注意しなければならない点は、会社が事前に認可されていなければ①②の労働者も一般の有期契約労働者と同様に労働契約法第18条の定めが適用されるという点です。そして、事業場(支店や支所)単位ではなく、会社単位の申請でよく、また届出も本社機能を有する事業場を管轄する労働局への届け出であるということにも注意が必要です。
また、これに伴い労働条件通知書の記載も変更することが必要となります。参考までに労働局が作成していた新しい労働条件通知書ひな形を添付資料(2枚)にしていますのでご参照ください。なお、新しく追記すべき個所には黄色のラインマーカーが記されています。
上記「②定年後に有期契約で継続雇用される高齢者」言葉通りでご理解いただけると思いますが、「①高度専門的知識等を有する有期雇用労働者」とは、
(a)賞与や残業代は別にして、確実に支払われる年収が1075万円以上
かつ
(b)法律が定める資格を有する者(博士の学位を有する者、公認会計士、医師、歯科医師、獣医師、弁護士、一級建築士、税理士、薬剤師、社会保険労務士、不動産鑑定士、技術士、弁理士、ITストラテジスト、アクチュアリー、特許発明の発明者、登録意匠の創作者、一定年数以上の実務経験を有する農林水産業・鉱工業・機械・電気・建築・土木の技術者、システムエンジニア、デザイナー、システムコンサルタントほか)
となっています。
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