経済産業省が推進する「地域創業促進事業」の説明会に参加してきました。
この事業は、創業しようとしている人達に事業を始めるときに必要な知識を教える教室の運営費用を補助する国の施策です。補助金が貰えるのは、創業する人ではなく、教室を開催する人・組織です。
創業者は創業する前に創業教室で色々なことを安価な費用(約5~10千円程度)で学び、創業した後は創業促進補助金(最高2,000千円)が貰えるようしてある等、一生懸命に国は創業/起業を促進させようとしています。正に、手取り、足取りの状態です。
私は、この事業とは関係なく、従来から起業/創業の相談に応じてきました。創業前から相談に応じ、創業してから1~2年は創業者と伴走してきました。その為、出来れば地域創業促進事業を利用したいと考えていたのですが、この事業は一人で教室を開催する場合は対象としないことが分かりガッカリしました。
しかし、この説明会に参加して、創業教室の事業計画の”たたき台”を入手できたことは大収穫でした。今まで私は、相談者の個性と必要性に応じて色々なことをレクチャーしてきましたが、漏れが無いか?無駄は無いか?と不安に思い続けてきました。しかし”たたき台”を入手することができたので、その心配も不要なものとなりました。幾多の事例を参考に理論化された”たたき台”を元に、相談者の必要性と個性を考慮して、その創業予定者に必要であろうことを村上流にレクチャーすれば、今までよりも一層効果が上がるコトをレクチャーすることができそうです。
ただし、どんなに優れたビジネス・モデルと雖(イエド)も、それを開始するタイミングを間違えると成功し難くなります。そして中国の兵法でも「智(チ)は勢(セイ)に如かず、勢は機(キ)に如かず」と言って「戦さで勝つ(ビジネスで成功する)為に大切なことは一番が”機(タイミング)”、二番が”勢(イキオイ)”、三番目に”智〈智慧(チエ)〉である」 と教えています。私の体験からも開業時には”機”と”勢”が大切であると考えます。知識はある程度に事業規模が大きくなってから身に着ければ間に合うことが多いようです。私へ企業から来る相談も「開業以来、今まで”勢い”だけでどうにかやってきたが、流石に今のような事業規模になると、”勢い”だけでは何とも思うようにならなくなった。どうすれば良いのか?」という成功者からのご質問が一番多いのが実情です。このような実情を踏まえると、創業スクールで”知識”としての”知”を身に着けることも大切ですが、その知識(知)を智慧(智)に変える体験を積み考える癖をつけ、また機を読み勢をつける手順・方法を習得していくこともビジネスとして成功するためには必要であると私は思っています。そして、ある程度事業規模が大きくなると”組織を創り、それを動かす智慧”を習得することが大切になります。何故なら、これも昔しから言われるように「人間1人だけで出来ることは限られている。その限界以上のことをやろうとすると、どうしても人の手を借りなければならない」からです。
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