ある会社で従業員さんとのトラブルが発生し、特定社会保険労務士である私へ相談されると同時に"ある弁護士"に相談された社長さんがいらっしゃいます。
私は特定社会保険労務士ですから、出来得る限り紛争を防止できるよう助言し、紛争となり裁判となりそうな場合はできる限り話し合いで早期に"和解"することをお勧めしていました。
しかし、社長さんからお聴きした処によると、その弁護士さんは「自分に委任して下されば、裁判で思う存分暴れてみせます」と何度も言っていたそうです。
私は、このお話しを社長さんからお聴きして「果たして何のための弁護士さんやら? 裁判で暴れ目立つことを目的にしているのではないですか? 大切なことは"暴れて鬱憤を晴らすこと"ではなく、会社が被る被害(時間、お金と心労)を最小限にするために"裁判上で負けない努力"をすることが大切なのではないですか?」と返答しました。
私は特定社会保険労務士ですから、会社と従業員さんとの個別労働紛争の相談を色々と受け賜わっていますが、ひと昔前の弁護士さん達とは違う弁護士さんが増えているような気がしてなりません。過去ご縁があった弁護士さん達は、依頼人が依頼してもできるだけ裁判をしないように勧め、かつ弁護士さんが受託しても提訴までに十分な月日(2~3ヵ月)をかけて「何を争点として、どんな裁判をするか」を十分に検討したうえで提訴していました。当時の私は「何をモタモタとしているのか!!」と不信に思っていましたが、その後、寧ろこの方が依頼者の為になるということが分かりました。昔からの兵法で「よく勝つ者は先ず勝ちてしかる後に戦さを求め、よく負ける者は先ず戦いてしかる後に勝ちを求む」とありますが、昔しの弁護士さんはこれを地で行うので準備に十分な時間を費やしていたのだと理解できたのでした。しかし、最近の弁護士さんで目に付くようになったのは「ビジネスになりそうであれば、十分な準備もせずに提訴してしまう」タイプです。それに振り回される会社や私たちはたまったものではありません。
ただし、これは弁護士さんに限らず社会保険労務士や司法書士についても言えることかも知れませんが・・・。
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