ある会社で雇用保険手続きモレの従業員が大量に見つかった為、遡って加入させることになりました。その中には、毎月の賃金から雇用保険料を控除している人もいれば、控除していなかった人もいます。
(1)賃金から雇用保険料を控除していた人達の手続きは比較的に簡単です。
その手順としては、まず最初に半年以内の人と半年を超えて遡る人とを区別します。
そして、遡る期間が半年以内の人の場合は、賃金台帳と出勤簿とを添付して通常の取得手続きを行います。
遡る期間が半年を超える人の場合は、次に遡る期間が2年以内か、それ以上かで区別します。
そして、半年以上2年以内の場合は、賃金台帳、出勤簿に「遅延理由書」を付け加えて手続きをします。
次に、2年以上の場合は、賃金台帳、出勤簿、遅延理由書に更に「疎明書」を添えて届出を行います。
以上はハローワークへの届出となります。
(2)そして次に、労働保険申告の修正が必要か否かをチェックします。ただし、現在の年度の保険料は概算払いの状態であり、それを確定させるのは次年度の年度更新のときですから、過去において賃金から保険料を控除していたか? あるいは労災保険料算定の基礎とする賃金総額に含まれているか否かは検討しなくても良いのですが、それ以上の期間(ただし、保険料を確認するため遡る義務があるのは最長2年間まで)については、労災保険料算定の基礎とする賃金総額と雇用保険算定の基礎とする賃金総額にその人の賃金が含まれていたか否かを確認し、もしも含まれていなければ労働保険料の修正申告をする必要が発生します。
さて、今回私が数年ぶりに体験したこのケースの場合は、遡って雇用保険に加入させる人達の賃金は労災保険料算定の基礎とする賃金総額に全て含まれているが、雇用保険料算定の基礎とする賃金総額には含まれていない人と含まれている人がいました。そこで、労災保険料の修正は必要が無いが雇用保険料は修正の必要がありました。そこで雇用保険料だけの修正申告(正しくは再申告)を行うことになりましたが、このとき注意しなければならないことは、労災保険と雇用保険の両方を修正する場合に使用する様式と雇用保険だけを修正する場合に使用する様式が異なるということです。因みに、今回使用した説明書つきの様式を写真にして添付させて頂きました(下方の「続きを読む」をクリックして頂くと見ることができます)。
尚、(2)の手続きは労働局徴収課で行うことになります。
正直に言って、今回は入退社事務が多い年度末から年度始めにかけての遡り件数が多い依頼のため、またハローワークも混んでいて、更に電子申請で処理する訳にもいかず少々ヘコタレましたが、なんとか無事に終わったようなので(´▽`) ホッとしています。
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