医療労務コンサルタント フォローアップ研修

7月末~8月末は暑さで私の生産性がどうしても低下すると予測したので、思い切って各種の研修会・セミナーに申込みをしました。講習会やセミナーに参加するとその時間帯は仕事が出来ませんから、残りの時間を有効活用せざるを得なくなります。その為、ダラダラと仕事をするのではなく、時間の有効活用を図りながら効率的に仕事を進めざるを得なくなると考えたのです。そして更に、研修会等で新しいモノの見方や考え方を習得すると、私のモノの考え方にも幅がでるとも思ったからです。「仕事の報酬は仕事!! 」かナ???

その中の一つの研修ですが、全国社会保険労務士会が開催した医療労務コンサルタント フォローアップ研修に先日参加して来ました。

研修内容は、主に①医療業界の実情説明と②中小クリニックに対する労務管理指導における留意点についてでした。講師は、実務で医療機関を指導している東京や九州の社会保険労務士でしたから、非常に参考になりました。特に「医師や看護師等の医療従事者は労働者という意識が乏しく、また聖職という意識が高いので、"法律で定められているから・・・"という切り口で指導を始めると拒否反応を示されてしまう」という点でした。

≪中堅以上の医療機関が注意すべき点≫

①雇用形態が多様化しているので、労働条件を再度確認し書面交付しておくこと

②有期雇用契約の職員に関して、労働契約法改正により平成30年4月以降は無期転換ルールが適用されるので、有期雇用契約職員との雇用契約内容を再確認しておくこと

③学会、研究会、カンファレンスほか就労中の時間なのか、個人的参画なのか? 就業時間を出来る限り明確に管理できる体制を整えること

④年俸制の医師に関して、固定残業代部分を明確にすること(H29.07.07最高裁判決による)

≪クリニックなど中小規模の医療機関が注意すべき点≫

①医療機関と言えども、36協定、変形労働時間制など法定必要要件は必ず満たしておくこと

②院内規則を明確にする為に、10人未満の医療機関と言えども就業規則を作成した方が良いこと

③時間外労働等に対して、正しい時間単価で残業代等の割増賃金を支払うこと

④"働き方改革"が叫ばれ、求人難の時代が続いているから、外部の専門家(社会保険労務士等)の智慧を活用した方が良いこと

ほか、医療業界の労務管理に関する注意点を学ぶことができました。

また、ワークショップでは日本各地から集まった社会保険労務士間でそれぞれの特色(考え方の違い)を体感することもできました。その他にも色々と学ぶべき点がありましたが、これらが私の実務で役立ては良いのですが・・・!!

以下は私見ですが・・・・・

ワークショップを通じて思ったことですが、特に10人未満の小規模医療機関では、法律で定められている事柄は守って貰わないと困るのですが、人事労務管理に関して余り「法律だから・・・」「このやり方の方が合理的・・・」という理由で押し付けない方が良いと考えます。医師(奥様を含む)の職員に対する考え方、そのクリニック等における慣習を含めた社風(院風?)をよく理解した上で、「どうすればもっと良いクリニック等になることができ、Win-Winの関係を築くことができるか?」 を十分に検討する必要があると私は考えます。その上で、優先順位を決めて、手際よく、段階的に「働き方改革」を推し進めないと、人間の内面的変革(≒自発性)は生じ得ないと思います。