マイナンバーの保管と管理

5月からハローワークへの届出にはマイナンバーが必須となります。

入退社の手続きはその都度にマイナンバーを記載していないと受理されないが、高年齢雇用継続給付金と育児休業給付金とは初回申請時にマイナンバーの届出をしていると2回目以降の申請時にはマイナンバーを記載しなくても良い・・・。

その為、従来はマイナンバーをお預かりしていなかった企業さまからも預からざるを得なくなります。

私の事務所では、マイナンバー制度が開始されてから、その保管と管理に対するセキュリティに関して万全の体制を整えていました。

①私の事務所に入る為には、ビル2階にある受付を通さなければ入れません。事務所と応接ルームは別々にあり、来客時は基本的に事務所ではなく応接ルームで応対させて頂いています。

②インターネットに接続する事務所内のパソコンは、ルーターがゼロックスのファイヤーウォールでガードされ、各パソコンはインストールされているセキュリティ・ソフトとパスワードでガードされ、使用する外部メモリーはパスワードとセキュリティソフトがついています。

③マイナンバーを保管・管理するパソコンは、インターネットに接続できず、登録してない外部メモリーもアクセスできません。当然のことですが、このパソコンは専用作業区域内に設置し、室内の他のパソコンとはランで接続してないないスタンドアローン状態にしています。

④マイナンバーを保管するパソコンにはマイナンバー専用に開発してもらったソフトがインストールされており、パスワードは2重にかかっています。

⑤マイナンバー使用履歴はマイナンバー専用ソフトで作成し、それをお客様に提供できるように創り込んであります。

⑥マイナンバーを提供して頂く際に使用した書面は全て企業別に耐火金庫で保管しています。

2年前にソフト会社やパソコン会社からは「ここまでやるの? やり過ぎでは?」と言われましたが、私は「顧客との信頼関係を絶対的に保つためには必要であり、事務効率が犠牲になることもやむを得ない」と考え設定してもらいました。

その為か、お客様の中には、自社内にマイナンバーは一切保管せず、全て私の事務所に任せて安心していらっしゃる企業さまもいらっしゃいます(しかし、本音を言えば、かなり面倒です!! また、このやり方は年末調整等で税務署・市区町村への提出書類作成の関係から企業規模で言えば100人規模が限界かナ! とも体験上考えています)。

5月からハローワークの諸届にマイナンバーが必須となると、このシステムを本格稼働させざるを得なくなりますが、過去2年の間に色々と体験させてもらいましたから上手く稼働し、お客様との信頼関係を継続させることができるものと確信しています。

そういえば、ある企業の総務担当者が「マイナンバーを給与ソフト会社が開発したクラウド上のソフトで保管しているが、当初契約時には在籍従業員数で料金が決まると思っていた。しかし、その後入退社が相当数あり、マイナンバー保管料金が倍増してしまった。所得税の関係から退職者等のマイナンバー保管を料金に含めることを失念していて大失敗だった」と嘆いていらっしゃいました。そして、私もその料金の高さには驚いてしまいました。