2年ぶりにパワハラの相談がありました。
被害者は自宅の自分の部屋に引き籠って、部屋から出てこないとのことでした。
ご相談があって会社にお伺いした処、総務担当者が被害者と他の従業員から事実確認を終えていました。
総務から聴いた処によると、現場から総務に連絡があったのは一昨日のことで、被害者はその5日前から欠勤していたそうです。パワハラにしてもセクハラにしても、会社が迅速に対応していくことが必要(特に、会社の初期動作が大切)とされますから、総務担当者が慌てるのは無理のないことだと思います。
ただ、総務担当者は私が訪問したときには前記の段階で立ち止まり、一機に飛躍して懲戒処分等の対策を検討しようとしていました。何故なら、被害者と他の従業員からの事情聴取でパワハラの事実は確定したと総務担当者は判断していたからです。
そこで私は「懲戒するにはステップを踏んでいくことが大切であり、加害者(容疑者)を呼び出し、本人の言い分を訊くように」と指示し、その場には私も同席することにしました。
この加害者(容疑者)との面談の場で本人はパワハラの事実を当初は全部否認していました。そこでユックリ時間をかけて加害者(容疑者)と面談し、本人の主張を十分に聴き、また現在のパワハラに関する解釈を説明しました。加害者(容疑者)は50歳代の人で自分の過去の体験をもとに被害者と接していたそうですが、価値判断基準が時代とともに変わったことを主に説明せざるを得ない状態でした。
結論として、本人が「自分の非を認め、辞表を提出する。被害者宛に謝罪文を書くので総務から被害者に手渡して貰いたい」と自ら言い出しました。
そこで急遽、会社としてその辞表を受理するか否かを検討してもらい、会社としては受理することにしました。
これで総務担当者は一安心したのですが、私は面談が終わってから「加害者と会社との関係は終わったが、被害者と会社の関係はまだ終わっていないので、会社は被害者に十分に配慮することが必要であること」を伝えました。今回の結末で被害者が不服を言わなければ良いのですが・・・。