働き方改革の要諦

迂闊に他社を見習って"働き方改革"を推進すると「働かない従業員」が増えて

しまいます。「優しさ」と「甘さ」は違います。「優しさ」だけで"働き方改革"を

推進すると会社はいずれは行き詰まってしまいます。「成果」を求めない組織は

会社ではありませんから目的を見失い行き詰ります。

また一方、今回予定されている労働諸法令の改正は遵守する義務があります。

今まで色々な企業さまから"働き方改革"推進への助力要請があり、多少ながら

私も色々な体験をさせて頂きました。その体験を通じて私が感じたことは、

「今まで自分が慣習又は常識として行ってきたコトを変えることに対する拒否

反応が強い」ということです。そして、これは経営者だけでなく従業員さん達

にも言えることです。

しかし、時代は大きく変わりました。労働力人口の減少が現実のものとなり、

少子高齢化を迎え、消費者の嗜好も変わり、この変化に上手く適応できた会社

だけが生き延びることができる競争社会に入っています。戦後生まれの我々は

人口が減る体験をしたことがありません。

その為"働き方改革"推進の為には、(Ⅰ)意識改革と(Ⅱ)業務改革が必要と考えて

います。そして、相互のコミュニケーションが非常に重要な役割を果たします。

そこで、私は"働き方改革"推進のための基本マニュアルを作成しました。

このマニュアルはバランススコア・カードの考え方を元にしています。

そして、最初の視点は「顧客の視点」から始まります。

「顧客はいま何を求め、自社に何を期待しているか?」の検討から着手し、その

為に必要なことは何か?、また今やっていることで不要なことは何か?を社内で

共有することがスタートラインとなっています。因みに、PFドラッカー翁も

「新しいコトを始める前に、従来の何を止めるかを先に決めなさい」と助言して

います。

その上で、今後5年間の事業計画を作成します。

私は"働き方改革"推進の為に必要なことは、「自立した従業員」を育成すること

を通じて「やらされ感」を無くす為に、経営者と従業員とが一緒になって事業計画を

作成し、将来のビジョンを見える化することで、従業員に「安心感」を持たせる

ことではないかと考えています。

そして、その為には

①適切な「就業規則」をつくること

②事業規模に応じた「公平な評価制度」を設けること

③相互のコミュニケーション

が必要だと思っています。

過去の歴史で事業主と労働者は「"支配"と"服従"の関係」となっていましたが、

生活水準が上がり、人口が減り始めましたから「"支援"と"貢献"の関係」に変わ

らざるを得ないと思います。そしてこの時に「成果」を求めなけば会社では

なく"烏合の衆"となってしまい競争社会から脱落する羽目になってしまうのでは

ないでしょうか?