高齢者の雇用

各社で「働き方改革の推進」をお手伝いさせて頂いたときに高齢者雇用に対する各社の考え方が様変わりしたことに気づきます。

法改正により"年齢を事由にして退職して貰える年齢が60歳から65歳"に引き上げられた当時は、各社とも定年後の再雇用・継続雇用に対する拒絶反応が強くありました。

しかし最近では、

①人手不足が著しくなり

②若年者を求人してもほとんど応募がなく

③仮に、運よく若年者を採用することができても、世代間ギャップもあり教育に手こずる場合が多い、のに対して

④定年年齢に到達した人達は、自社のコトや仕事のコトをよく知っており

⑤世代間ギャップも少なく、社会人として世間の辛苦を体験して成熟している(例外的な人もいますが)ので

下手に価値観や考え方が異なる若年者を新たに雇い入れるよりも、定年に到達した人達を再雇用又は継続雇用した方が良い(但し、身心の健康状態に問題が無いコトが条件)と考える企業が圧倒的に多くなったようです。

そして働く側からしても、ひと昔前までは、定年に到達すると仕事から勇退し、余生を楽しむ人が多かったようですが、食糧事情や医学の発達により、定年到達後も元気で働き自分の過去の経験を元に社会に貢献したい人が増えているようです。

そして賃金に関しても、ひと昔前は定年再雇用の際に賃金を30%~40%引き下げる企業が多かったのですが、最近では10%~20%引き下げるか又は全く引き下げない場合が圧倒的に多くなっているような感触があります。

ただし、65歳以降は①本人の貢献度と②本人の健康状態を元に、毎年1回は本人と話し合うことで、出来る限り柔軟に対応しているケースが目立ちます。この点に関しても、労務管理のやり方を変えていかざるを得ない事情があると考えます。60歳を超えたあたりから、変革や改善に対する取り組み方、協調性、心身の健康状態などに関して個人差が大きくなることがありますから、その点も踏まえた労務管理を行っていくことが大切です。