人事考課と給与体系の再構築

やっとできました。今年5月に、日本版同一労働同一賃金の問題を踏まえて「人事考課」と「給与体系」を再構築したいという御依頼を受け、ご依頼者さまと打ち合わせを重ねていましたが、やっと出来上がりました。この会社としては、求人対策としてこれらを整備し、同時に在籍中の従業員さん達が安心して前向きな姿勢で働くことが出来る環境(離職防止)を整備されたいということが主たる目的でした。

会社の実態を把握するため、①簡易型労務監査の実施、②毎月の賃金の各種手当を再検討、③基本給ほか固定的賃金の分布状態をグラフで見える化、④会社組織の階層と役割を確認して職能要件記述書をタタキ台にして役割要件記述書を作成、⑤人事考課表の内容を再検討する処からのスタートでした。

このような御依頼がある場合、私が過去の体験から得た幾つかの雛型の中からその会社に適しているであろうモノを選択した上で、会社とミーティングを行い、その会社の意向に合うようにカスタマイズしていきます。

正社員の賞与は営業利益分配率/ポイント式分配方式に変更してもらうことで経営が安定するようにしました。ただし、正社員ほか正規雇用の人達の均衡・均等の問題も検討しなければならなかったのですが、今回の会社ではパートさんや定年後の嘱託社員さん達のような非正規雇用の人達にも賞与ではなく寸志が支給されていたので、判例やガイドラインで明確になっていない非正規雇用との格差の問題は先送りし、均等・均衡取扱いが必要な福利厚生面と賃金の諸手当だけを検討し、賞与と退職金に関してはもう少し様子をみてから再検討することになりました。

今冬の賞与で試行(旧制度と並走)してみるところからスタートします。今冬の賞与、来年4月の昇給、来年夏の賞与と約1年間はこの会社の運用方法を観て修正を加えながらの試行期間です。まだまだ作業は続きますが、取り敢えずは山を1つ越えたようなのでホ~!! としています。