雇用調整助成金、給与計算、障害者雇用納付金計算に翻弄

悪夢のような4月下旬がやっと終わりました。

5月初旬の連休のため給与支払予定日が10日の企業は銀行に給与振込用データを5月1日午前中までに持ち込まなければならないので、月末締めの場合は4月25日に締日を変更して頂きました。

その為、通常25日締めの企業と月末締めの企業の賃金計算事務とが重なることが予測できました。

そして、障害者雇用に関する納付金の計算事務も毎年4月下旬にありますから、4月下旬は事務がかなり混乱することが予想されました。

しかし、これらは予め予測できたので、賃金締日変更は3月中に会社で取り決めて従業員に周知したり、障害者雇用率計算は担当者さまに協力を予め依頼し4月上旬に着手していました。

ただし、4月14日付で高齢・障害・求職者雇用支援機構広島支部から企業調査を行う通知が届いたことには驚きました。

そして、4月第一週頃から各社の業績に新型コロナの影響が顕著に出始め、予想外に雇用調整助成金の説明に振り回されました。

しかも助成金の支給基準と提出書類が段階的に変更されていき、ご相談頂いた企業の担当者さまが入手している情報(知識)に遅早の差があるため、必要以上の時間が助成金説明の為に費やされました。

労働局も4月第一週は相談に行ってもユトリある状況で十分な説明をして貰うことができましが、第二週目はかなり忙しくなり電話が余り通じなく訪問しても提出書類変更点だけの手短かな説明となり、第三週以降は相談者が押し掛けているため訪問してもかなりの時間を待たなければ対応して貰えない状況で電話はほとんど通じなくなりました。

この状況の中で私は早期にご相談者から依頼があり、労働局以外でも労働新聞、労働調査会、全国社労士会、広島県社労士会、中小企業庁ミラサポなどからも情報提供がありましたので、比較的円滑に色々な情報を入手できました。

そして更に、4月下旬になると助成金を利用して雇用を維持しようというご相談だけでなく、企業の存続を図る為には解雇もやむを得ないご相談も増えました。その為、従業員を解雇するときに留意しなければならない点(解雇予告手当と整理解雇4要素)も説明することが必要となりました。

また、色々な助成金や給付金がバラバラに用意された為に分からなくなっている相談者さまが多く、経済産業省の持続化給付金やセーフティネット拡充に伴う無金利無保証融資、広島県が行う休業協力金、などの説明も必要となり余計に手間取りました。

その中で私が感じたのは、自分の会社がどうすべきかと考える前に、自社がどういう状況の中にいるのか理解されて無い企業さまが一番多いということでした。

そして、リーマンショックのときもそうでしたが、自社がどういう状況の中にいるのか理解して頂く為に私が助言するのは勇気がいることです。そのような時に約20年前に私自身が会社を倒産させてしまったことを思い出し、不思議と松下幸之助翁の「ダム経営の勧め」が思い出されました。

また、コロナ感染症による休業が一時的なモノで終わりそうな会社には、リーマンショックの時と同様に休業を利用して従業員に教育訓練し、従業員に新しい技術・知識を習得させることをお勧めし大変に喜ばれました。雇用調整助成金はコロナ特別措置としてネット配信による教育訓練や日常業務のレベルアップを図る訓練等が対象となり得ることになりましたから大変に助かります。

なんか気がついたら4月が終わっていたという状態ですが、5月連休も雇用調整助成金と日本版同一労働同一賃金に伴う就業規則の変更のために無休とせざるを得ない状況です。