私は相談業務が中心の為、余り積極的に給与計算事務を受託しませんが、事情があって今年1月から給与計算を私が代行するようになった会社から感謝されました!! そして「もっと早く村上社労士に給与計算を依頼すれば良かった」とお褒めの言葉を頂きました。
約100人規模の会社ですが、それまで給与計算するのに社内で3日~4日かかっていたのに、私が代行するようになってからはデータをお預かりした翌日の夕方までに給与計算結果を会社に返却するようになりました。その為に、徹底してムダな作業を排除し、労基法改正にも対応できるようにしました。ただし、一機に変えるのではなく、「能」の世界で言われる「守・破・離」を守り、初回は従来通りのやり方で行い、2回目から新しいやり方を段階的に導入し古いやり方を廃止していきました。その為、会社も社員さん達も戸惑うことなく新しいやり方に慣れて行かれたようです。特に、下記①のタイムカードのクラウド化では、まず実行する前に社内で先生役を務められる人を育てることに時間を費やしました。
①タイムカードを廃止して始業終業時刻の記録をクラウド化し(従業員さん自身でクラウドに入力(ボタンを押すだけ)してもらいます)、
②従業員さんが始業終業時刻の入力を忘れている日や始業終業時刻に不審な点がある場合は会社で調べて確認・訂正してもらい、
③会社から返却された訂正後の始業終業時刻を私がプロの目線で集計して、
④給与ソフトに入力し、
⑤銀行振込用データをインターネットバンキングで送信できる状態にして、給与明細書や賃金台帳と一緒に会社に返却します。
①の始業終業時刻の記録をクラウド化する費用は無料です。そして、この会社は支店が7か所あるので、その効果は抜群でした。
そして、給与計算処理で私が一番神経を使うのは、③始業終業時刻をプロの目線で集計する作業です。クラウドでも変形労働時間制に対応してある程度は正しく集計してくれますが、従業員さん達が「予期せぬ働き方」をしていることが多いので、クラウドでシステム化されたソフトでは対応しきれていない場合が多々発生しますから、私が全て再計算し集計に間違いが無いかをチェックします。
私が過去体験した賃金未払事件では、会社の担当者が給与ソフトのシステムを過信してしまい(システムだから間違いないと思い込んでしまい)、予期せぬ働き方があったときもシステムで計算された集計結果を再確認していなかった為に発生していた未払賃金事件が多数あります。因みに、私の始業・終業時刻集計表は裁判など紛争発生時にも使われることが多々あります。
年次有給休暇の管理方法も改善して頂きました。
また、⑤銀行振込用データをインターネットバンキングで送信できる状態にして返却していることも会社の人の負担をかなり軽減しているようです。私が代行する前は会社の給与ソフトで振込用紙に印刷させて、社内に設置しているファームバンキングに従業員1人一人のデータを手入力されていました。今は「ボタン一つか二つ押せば、ハイ終わりで、楽になった」そうです。
そして、③私がプロの目線で集計し直した始業・終業時刻集計表も返却していますから、従業員さんから問合せがあったときに、会社の担当者がその資料を見ながら説明し、それでも分からないときには私に問合せされていますから間違いありませんし、従業員さんも納得されているようです。
そして更に、長時間労働の管理簿も私が月中と月末に提供しますので、会社の担当者は45時間超、80時間超の残業をした従業員がいないかを調べるのも楽になったそうです。なお、長時間労働の管理については月中で残業時間数(時間外労働と法定休日労働の合計)が60時間を超えそうな従業員と45時間を超えた従業員には私が集計して会社に注意を促しますから、80時間超の残業を行う従業員が発生することを防止できているようです。
また、年次有給休暇5日の取得義務も私がチェックして資料として会社に返却しますから会社の担当者は非常に楽になったと言われていました。