従業員さんと会社のトラブル 懲戒 ❓

色々な会社から従業員さんとのトラブルに関するご相談を頂いていますが、パワハラやセクハラなどに限らず総じて「会社として "どこまでやって良いのか?" "どこまで言っても良いのか?"がよく分からないので相談したい」という事案が多いと感じます。

ご相談の中には会社側が感情的になってしまい"やり過ぎている場合"や"言い過ぎている場合"もありますが、ひと昔前と比べるとこのような案件は減っているような気がします。感情的になられている場合は、時間を掛けてでも冷静になって頂くしかありません。

また、ご相談の中には今までは些細なことと会社側が見過ごしていて、些細なことが繰り返されて累積し、会社側の堪忍袋の緒が切れて一機に懲戒解雇しようとする場合も多々あります。このようなときは「懲戒処分には懲戒解雇以外の処分もあり得るコト」「解雇するには懲戒解雇以外にもあり得るコト」等を説明し説得しますが、感情的になられている場合が多いので説得には時間を要します。

また更に最近多いのは、従業員さんがネットや知人から聞いたことを権利の如くに会社に主張(要求)し、会社側にそのことに関する知識が無いため会社が躊躇し立ち竦んでしまっているケースです。

ご相談の中には、就業規則を根拠に懲戒処分すべきなのにそれさえ行おうとしない会社さえあります。ただし、懲戒処分は会社の秩序を乱したときに限り認められる制裁処分であり、私生活上の非違行為を理由に会社が懲戒処分することは出来ないことに注意が必要です。

労働緒法が矢継ぎ早に改正される中で、コロナ鍋によりビジネスのやり方が変わり、人としての価値観も変わりつつある昨今では、会社側の法的知識が不足し会社が立ち竦むのもやむを得ない面があると思います。私へのご相談で一番手を焼くのは、会社側の人が"知っているツモリ"になられている場合です。

このような中でトラブル初期にご相談頂いた場合は、私からの助言を参考にされて比較的簡単に解決しているようです。虫歯になってしまったときは早く歯医者さんに行く方が良いのと一緒で、トラブルが発生したときには一人で悩むよりも早く専門家に相談した方が良いと私は思います。