今年の算定基礎届から「総括表」と「附表」が不要になりました。
お陰さまで、ほとんどの会社の算定基礎届を7月1日に電子申請することができ、残るは400人規模で間歇的に休業を繰り返している企業の算定基礎届だけとなりました。ただし、7月1日は電子申請システムが通信量オーバーの為に異常をきたすことが考えられるため、朝6時に業務(提出前の最終チェック)を開始し、午前7時に電子申請で一斉送信しました。
労働保険年度更新は6月中に全て完了していますから、残る定例業務は前記の算定基礎届1社だけです。これで、私本来の業務である相談業務に注力する環境が整いました。早速、7月1日午後には「在宅勤務に関するご相談」と「従業員さんとのトラブルに関する相談」とがあり、それらに応じることができました。
私は昔しから、算定基礎届の総括表と附表について「これらの書類は何の為に提出するのだろうか? 年金事務所の事務を簡素化するため? それとも統計資料を作成したり調査対象を探し出す為?」と疑問がありました。この書類を作成する為(人数の確定)に、7月1日まで算定基礎届を提出する為の準備が出来ず、人数を確定する為に1週間程度はかかっていました(従業員数は常時把握していますが、それは賃金締切日ベースのモノであるため7月1日現在の人数に補正する必要がありました)。今年から算定基礎届の総括表と附表が廃止され大助かりです。
そして、ついでに無くするならば、算定基礎届の受付を7月1日以後に制約することをなくした方が良いと思います。7月1日から10日(今年は12日)までの間に届出することを義務付けるから、6月の賃金支払いが終わり従業員の入退社も確実に予測できる会社まで、7月1日まで届出を待たなくてはならなくなります。その結果、届出と処理が集中してしまい、電子申請さえ不具合が発生する可能性が生じています。労働保険年度更新のように6月1日以降届出ができるようにすれば、届出と処理の平準化を図ることが出来るようになると私は考えます。
ただし、今のように標準報酬月額を元にして保険料を決定する考え方を止めて、所得税や雇用保険料のように毎月の総支給額に料率を乗じる方法に変えれば、算定基礎届だけでなく月額変更届も不必要になるので更に良くなるのではないかとも考えます(給与計算控除事務のシンプル化)。
PFドラッカー翁も指摘していますが「役所と非営利法人の仕事・書類には過去の慣習や法律に縛られて不必要なモノが沢山ある」のではないでしょうか? ブレイクスルー思考法で言えば「何の為に、それを行うのか?」細部までもう一度検討した方が良いように私は思います。