最低賃金引き上げへの対応

今年、最低賃金が大幅に引き上げられる見込みとなり、頭を悩ませている会社さまが多いようです。

しかし、悩んでいるだけでは問題は解決しません。そして今年のような大幅な最低賃金の引上げに伴う人件費の高騰に対応するには、1人当たり(1時間当たり)の生産性を高めるしかないと私は考えます。悩み、他社の事例を参考にし、自社で考え(社内で共有)、実行し始めて(半歩踏み出し)、初めて解決の糸口が見つかるのではないでしょうか?

また、コロナ禍が収束せず諸物価(諸経費)が値上がりする中で、自社取扱い製品・サービスの値上げをすることができず、営業利益が減り苦戦されている企業さまもあるようです。俗に「スタグフレーション」と呼ばれる状態です。このような状況のときに人件費を削減しようとするのも一つの方法かもしれませんが、それは「負のスパイラル」に陥る危険性(マイナス思考)を孕んでいます。その為、私としては「負のスパイラル」に陥らない為に、仕事のやり方・考え方を変え、場合によっては自社のビジネスモデルを変えて、一人当たり(1時間当たり)の生産性を高める(=自社の提供する付加価値を多くする)ことが必要ではないかと考えます。要するに、「人件費の絶対額」を減す対策を志向することも大切かもしれませんが、「人件費の絶対額」を減すことなく「自社の顧客が何を求めているのか」を探求(プラス思考)し、自社の「付加価値額」を増やし「人件費比率」を下げること(又は「人件費比率」を一定水準に維持すること)を試行されることが一番大切なことと考えます。

 その為、8月初旬に中央最低賃金審議会からブロック別の最低賃金が公開された後は、私は経済産業省中小中小企業庁が運営する「ミラサポplus」に掲載されている「生産性を高めることができた成功事例」を各顧問先に案内し、ご要望がある場合は一緒に考える(伴走する)ようにしています。各成功事例を読んでいると私が思いつかなかった方法で成功されている事例もあり、大変に参考になります。