労働条件を改善するときの注意点

働き方改革が推進される中で、求人しても応募者が中々いない状態が続いている企業さまが多見されます。そして、離職を防止し、求人への応募者を増やすために、労働条件を改善されつつある企業さまが多いようです。

しかし、ここで忘れてならないことは「会社には、"厳しさ""優しさ"とが必要だが、"甘さ"いらない」ということです。「厳しいけど優しい親」と「甘い親」とが違うように「優しさ」「甘さ」は異なります。そして、労働条件を改善するときに「優しさ」が「甘さ」とならないように注意することが必要だと村上社会保険労務士事務所は考えています。また、私が体験した個別労働紛争の大半の原因が「甘さ」にあると言っても過言ではないように思います。

過去のバブル崩壊後やリーマンショック時には、それ以前の高度経済成長時代や業績が順調に伸びていた時に"甘い条件"で人を惹きつけていた結果、危機に陥ってしまった企業さまの事業再生を当事務所ではお手伝いしてきました。コロナ禍でも同様です。

労働条件を改善する為には、当然のことですが、過去の習慣・やり方・考え方から脱却して、仕事のやり方・考え方を改め、働き方改革が開始される前までであれば「従業員一人当たりの生産性」で良かったのですが、働き方改革が推進されるようになってからは従業員さん毎の 「1 時間当たりの生産性」を高める工夫・改善(必要によっては改革)をしなければ、改善した労働条件を維持できなくなってしまいます。