時代とともに、果たすべき役割が変化しています!!
顧客が期待する自社の役割が時代と伴に変わり、自社の従業員の役割も変わっていませんか?
企業はP.F.ドラッカー翁が言われたように「変化適応業」ですから、企業が変化に適応するにつれ従業員の役割も変化していくものではないかと私は考えます。
ある人と世間話しをしていた時のことですが、最近のタクシー会社では、次のような仕組みになっているようです。
①利用したい顧客が予約センターにスマホで申し込みをすると、
②予約センターでは、顧客の位置情報近くで空車となっている車両を探し、
③そのドライバーに、顧客の氏名(又は予約番号)と位置を連絡し、
④同時に、予約センターでは、ドライバーに現在地から顧客の目的地までの最短ルートをドライブ・マップで指示する。
⑤その指示を受けたドライバーは、ドライブ・マップを見ながら運転し、目的地に着いたら顧客から料金をいただく。
⑥タクシーには走行中の安全を確認する警告装置が搭載されているから(流石に、オートドライブ機能はまだ搭載してないようです)、ドライバ―は警告装置が警告を発しないよう安全運転に心がける。
⑦更に、万が一事故が発生したら、車両にはドライブレコーダーが搭載されいるから、ドライバ―は事故処理チームに連絡し、事故処理チームがレコーダー録画とドライバーの発言を基に処理する(事故が発生し警察を呼んだときも、警官は一番にドライブレコーダーの録画を確認するそうです)。
このような話しをその人から聞いて、私は「道理で最近は無線電波が届きにくい場所で休憩しているタクシーが減った筈だ、また街中を流して顧客を探しているタクシーも減った筈だ」「昔しのタクシー・ドライバーは道を良く知っていることが必須であったけれども、いまは最新の交通情報が反映されているドライブ・マップを見て走行する方がドライバーの知識を基に走行するよりも早く・安全に到着できるナ!! ただし、ドライブ・マップでは不足する情報細部をドライバ―の知識で補うことができるナ!! 」と思いました。
そして更に「タクシー・ドライバーの役割が昔しとは変わったナ!! 」「これではタクシー・ドライバーが昔ながらのやり方をしていたら、給与は増えない筈だな!! 」と考えました。
タクシー業界も同業者同士の競争以外に、カーシェア・レンタカーやレンタ・サイクル等によりマーケットを侵食され、更にはWeb会議が普及することで移動すること自体が不要となりつつあります。
因みに、国鉄が民営化されるまでは「鉄道は"顧客を運送する手段"(人間も貨物と同じ)」と考えられていましたが、民営化され暫くすると「鉄道は"快適な空間を提供しながら顧客が移動する手段"」と考え方を改められたらしく、快適な空間の提供だけでなく接遇も極めて良くなりました。
今回はタクシー・ドライバーを事例に記載させて頂きましたが、
①自社でもそれぞれの従業員さんの役割が、
場合によっては
②顧客が会社に期待する会社の役割が、
「時代と伴に気づかぬうちに変わっていないか!!」 と再考された方が良いのではないかと考えます。
因みに、街角にあったカメラ屋さんはデジタル・カメラの品質向上と伴に衰退し写真館が台頭しました。街角にあった大衆銭湯が衰退の一途をたどる一方ではスーパー銭湯が台頭しました。バスや電車に必ずいた車掌さんはいなくなり、更に駅の改札口も自動化されました。スーパーではレジ打ちせずにバーコードをスキャンすることが当たり前のことになり、最近ではセルフ・レジが普及しつつあります。ガソリンスタンドはセルフ方式が普及しています。ファミレスや牛丼店ではタブレットで注文することがごく普通のことになり、配膳までロボット化されつつあります。書籍はネットが買うことが当たり前になり街角の本屋さんが減りました。モノづくりメーカーの工場や倉庫では従業員数が大幅に減ってロボットが増えました。
これらの変化に伴い、従業員が果たすべき役割、会社が顧客に果たすべき役割が変わりつつある事例を枚挙するに暇はないと思います。