『(交通)事故の統計を取るだけでは、(交通)事故を減すことはできない』と言います。
(交通)事故を減す為には、やはり現場に行き、発生した原因を究明して、その対策を実行ことが必要ではないでしょうか?
同じようなことが"働き方改革"を推進するためにも言えると私は考えます。
勤怠管理システムを導入しても、勤怠管理システムは長時間労働などの働き方改革を阻害している原因まで教えてくれるものではありません。書籍「危機からの脱出」(出版社:㈱日経BPマーケティング )で著者:W.エドワーズ.デミングは『生産性の測定は事故統計のようなものだ。測定して問題があることは理解できるが、事故そのものについては何も語らない』と指摘しています。また同書では『変革を起こせるのは人間だけであり、ハードウェア(PC、装置、自動化、新鋭設備など)ではない』とも指摘しています。
大切なことは、集計された記録(統計)を人間がどのように判断して、どのように活用していくかではないでしょうか?
過去に私が体験したことをお話しすれば、ある会社で色々と仕事のやり方・手順の改善を行った結果として営業職の人たちの時間外労働が1名を除いて月間20時間~30時間程度まで減った事例があります。時間外労働を20時間~30時間程度まで減すことができないその1名はどうしても月間40時間~60時間となっていました。そこで会社の人にお聴きしてみると、その人は島嶼部を主に担当しているのでフェリーで移動するのに時間がかかっているということでした。そして、他の営業マンが島嶼部を担当することはほとんど無く自動車で営業活動を行っているということも分かりました。その結果、長時間労働の原因はその営業マンの仕事のやり方や手順等に問題があるというよりも、担当エリア(販売先)の決め方と島嶼部のお客様との取引きのやり方に問題があることが分かりましたので決め方と取引きの進め方を改めてもらうよう提案しました(当然のことですが、TeamsやZoom等のテレビ会議システムを利用した営業活動も紹介させて頂きました)。