最低賃金の減額の特例許可申請のマクロ化

 宿直者の「最低賃金の減額の特例許可」を更新する時期となった会社があります。

 「最低賃金の減額の特例許可」を得ていると最低賃金法を下回る時給でも違法とはなりません。宿直者の「監視断続的業務に関する許可」(業務と場所に対する許可)は数年数年前に得ていますので大丈夫なのですが、「最低賃金の減額の特例許可」(人ごとの許可)は毎年手続きする必要があります。

 この会社には宿直専門の従業員さん達が3名いらして、いずれも65歳超の高齢者の人達です。

 昨年までは、会社のExcel形式の「勤務シフト表」を元に関数を使用して計算していました。しかし、煩わしいので何とかならないのかナ?と考えていました。この会社には不規則な交代制で勤務する宿直専門の従業員さんが3名いて、宿直として「拘束される時間数」と「実働する時間数」とが「平日」、「土曜」、「日祝」で違う為に毎月の実労働時間数が個人によって異なるため1年単位で判定する必要があり、その結果として計算が非常に複雑になり非常に煩わしく、また端数処理などによる間違いも起こりやすい状態でした。

 そこで私は空いた時間を利用して気分転換を目的にExcelのマクロ機能と関数とを併用した計算モデルを作ることしました。その手順としては、

① 責任者がExcelで作成した「勤務シフト表」(月ごとに日付順に担当する人の氏名が記載されている)をマクロ付Excel表に読み取らせる。

② マクロ付Excel表で曜日ごとに担当者を仕訳けさせる。

③ マクロ付Excel表で担当者ごとに、平日と土曜と日祝の勤務日数が年間で各何日あるかを集計させる。・・・>この②③の作業で従来は16時間程度を要していましたが、マクロ機能のおかげで3分以内にできるようになりました。

④ ③の結果をもとに最低賃金法で定められた時間単価に対して何%減額できるかを計算させる。

⑤ ④の結果をもとに新しい労働条件通知書を作成し本人に交付する(署名してもらう)。

⑥ ④の結果を労基署所定の届出様式に転記する。

⑦ この後で労基署に届出します。

 なお、この「最低賃金の減額の特例」の許認可には届出してから約1か月を要しますから、いかに早く届出できるかが非常に重要なことになります。しかし、このマクロ付Excelを使えば「早く」「正確な」集計をすることができるようになります。

 これはExcelのマクロ機能と関数とを使用して業務を改善する事例ですが、会社業務の中にはExcelのマクロ機能と関数とを上手く使えば専用の業務ソフトを購入しなくても合理化できる業務が沢山あるのではないでしょうか?