組織の運営には縁の下の力持ちが必要!!

 友人の勧めで広島交響楽団のコンサートに行きました。交響曲コンサートなど無縁な私の日常ですが、私は指揮者(パスカル・ロフェ氏)がどんな指揮をして楽団に名曲を演奏させるのかを観察することが目的でした。

 開演5分前までは各楽器の担当者がそれぞれ音色の調整をしていましたが、その後は指揮台の左手にいるバイオリニストが奏でる音に他の楽器担当者が音合わせを行った後に演奏が始まりました。そのバイオリニストは小柄な女性で、演奏中は他のバイオリニストと違って体全体を使って演奏し、音色も他の演奏者よりも大きく響いていることに気づきました。指揮者も体全体を使って指揮していましたが、その側で体全体を使って(座ったまま)バイオリンを奏でる女性の動きに私は注目していました。無知な私は「なんで、あなんに体全体を使って演奏するのかナ? 小柄だからバイオリンの音色を活かす為かナ?・・・」と思いながら観ていました。

 しかし、演奏会の合間にパンフレットを見て「コンサート・マスター」と記載されていることに気づき、事務所に帰ってからネット検索し初めてその女性バイオリニストの役割を理解することができました。その日の指揮者は客演(楽団外部から招いた指揮者)であり、楽団の特質を把握しているコンサート・マスターが指揮者の意図が演奏曲に反映されるよう「縁の下の力持ち」の役割を果たしていることを知りました。ネット情報によると、万が一指揮者にトラブルが発生したときはコンサート・マスターが各楽器の演奏者に指示を出して演奏を継続させるとのことでした。このことを後で知った私は、指揮者が登壇する前にその女性とだけ握手をしてから登壇したことの意味を理解することができました。

 どんな組織でも「縁の下の力持ち」にあたる人は必要なのですネ。会社でも同じことが言えるのではないでしょうか? パナソニック・グループの創業者:松下幸之助翁には高橋荒太郎翁が、ホンダ技研の本田宗一郎翁には藤沢武夫翁がいらっしゃいました。しかし、この「縁の下の力持ち」を正しく評価することは至難の業のような気がします。