事業再生のご相談

 先日の夕方に突然電話があり、酷く焦っていらっしゃるようなので、直ぐに事務所に来て頂くコトにしました。社内で聞かれたくないコト、社内の人や奥さんに相談できず社長が1人で悩んでいるコトの相談は、ほとんどの場合は午後6時以後、あるいは土・日曜に電話かメールがあります。

 お話しをお聴きして「①数年前から赤字が続いていたが、②連帯保証人の件で主力銀行とトラブルが発生し、③海外での生産コストと輸入コストが著しく値上がりし、④主力販売先の社内事情により一時的ではあるものの受注が激減したこと、⑤この状況下で銀行からの締め付けが厳しくなった為、経営が行き詰りそうな状態に陥っていること」が分かりました。

 私は昔し銀行員で、その後は自分で会社を経営していましたが倒産させてしまい、社会保険労務士になった後に中小企業庁の認定支援機関をしていた時期もありますので、屡々このようなご相談があります。今の私は単なる社会保険労務士ですが、このようなご相談があったときは誠意を以て対応しています。

 初日は私が現状を理解することに終始しました。まずは、ご相談者さまのお話しを疑似コーチング・スタイルで聴いて聴いて聴きまくります。その上で私から数少なく質問と助言をします。今回に限らないことですが、ご相談者さまが世間体を気にして中々本音をお話しにならないこと、そして更にご自身の思い込みが強く会社の実態を正しく把握されていないことはいつものことです。

 事業再生をする為には「お金/人/モノ/時間の使い方」を変えることが必要なのですが、過去の習慣から発生しているバイアスや既得権などから予期せぬ抵抗が発生することが多く、この抵抗を如何に乗り切るかが一番難しい点だと経験上思います。