働き方改革のお手伝い 準備

 ソフトや機械設備を購入しても上手く使えない!! 従業員の給与を値上げしたいがその源資が見つからない!! こんな体験をされたことはありませんか? 村上社労士事務所は複数社の働き方改革をお手伝いしていますが、ソフトを購入したり、業務のDX化を進めたり、機械設備を購入したり、昇給させたりする前にやるべきコトがあると考えます。

 それは「5S」です。「整理」「整頓」「清掃」「躾」「清潔」を徹底すると生産性が向上します。特に、「整理」:不要なモノ/情報/業務を捨てる(廃止する)コト、「整頓」:必要なモノ/情報/業務を所定の場所へ置くコトが大切です。「整理」「整頓」を行い、必要なときに、必要なモノを、必要な量だけ利用することができる仕事環境を整えることが必要であり、それには「清掃」が伴います。そして、「躾」の中でも特に「挨拶」が大切であり、挨拶を徹底することで社内コミュニケーションを良くしてより良い人間関係作りを目指し、また「躾」をすることで相手を思いやる心(前工程/後工程や関連部署との調整)を育みます。そして更に、「清潔」は感染症予防対策として必要なことです。

 当事務所では、「働き方改革推進のお手伝い」だけでなく「事業再生」(倒産の危機にある会社の再建)の場合も最初は「5S運動」の徹底から始めます。「働き方改革」も「事業再生」も、その目的は「生産性を向上させること」にあるからです。5S運動が徹底されてくると不思議と生産性が向上してきます。そして、生産性が向上すると昇給源資を捻出することができるようになります。

 トヨタは「乾いた雑巾を更に絞る」といいますが、大切なことは「もうこれで十分」と自己満足せず更に徹底することです。会社内、事務所内、机内に限らずパソコン内やロッカー内だけでなく「仕事の手順や方法」「取引先との取引方法とやり方」まで含めて徹底することが大切です。

 難しいコトやお金がかかるコトをやろうとする前に、いま一度「5S運動」を徹底され、モノゴトや仕事の仕組みと流れを単純化・簡素化(・見える化)されては如何でしょうか?

 私が会社経営に携わっていた頃の昔話しとなりますが、オフコンで新しいプログラムソフト組めば業務が改善できると業者から言われ、何度も新しいプログラムソフトを開発してもらいました。しかし、ソフトを管理する手間暇が増える一方で業務が改善されることはありませんでした。その一番の原因は、従来からの業務のやり方を変えずに、従来から業務と新たに始める業務をソフトで処理させようとしたことにあったと私は考えています。「ソフトの開発/導入 = 業務改善」ではないのです。業務改善する為には、会社全体の業務の流れを再検討し、不要な業務は廃止し、顧客の為になる業務又は会社管理コストを削減できる業務を新たに追加することが必要です(その為に「5S運動の徹底」が必要)。そして、ソフトはそれが出来るようにする道具にしか過ぎないと私は考えます。