商品マスター更新のお手伝い

 顧問契約先に賃金台帳のデータをお預かりする為にお伺いした処、担当者が商品マスターの仕入価格を更新する作業で悪戦苦闘されていました。そこで、その作業を簡素化するためのアドバイス(伴走)をしました。

 その会社では、メーカーが価格を変更すると、自社の業務ソフトの商品リストに1品ずつ手入力されていました。変更品目が多いため、手作業で行おうとすると大変です。そこで、私は業務ソフトからCSVで出力し、ExcelでVLookup関数やIndexMatch関数を使って処理することを勧めました。しかし、担当者がExcelの関数に不慣れだったため、最終的に私がマクロ(VBA)を提供し、あとは会社で色々とやってみてもらうことになりました。

 変数を使った簡単なVBAで済むだろうと安易に引き受けましたが、以下の理由で大変でした:

  1. メーカーが商品を品番ではなく商品名(当用漢字以外の漢字も含む)だけで管理されていました
  2. 出荷メーカーとこの会社で商品名が異なっている商品がありました
  3. メーカーからの価格変更リストの1行に複数の商品名が記載されていました

 伝統的産業のため古い商習慣があり結構たいへんでした。過去の習慣や経験値からくる暗黙知に頼ることなく、「見える化」して新入社員でも分かるようにすることが作業効率を高める為の第一歩のようです。

 この会社を訪問する度に思い出すのが自動車メーカーのメルセデス・ベンツの「伝統を守る為にも我々は革新的でなければならない」という言葉です。そして、この会社は徐々にですが「変化に適応する」ことを身につけられ始めているようです。